118C047|第118回 歯科医師国家試験 過去問
58 歳の女性。下顎左側臼歯部の欠損による咀嚼困難を主訴として来院した。口 腔内検査後、研究用模型上でも検査することとした。初診時の口腔内写真(別冊 No. 14A)、研究用模型の写真(別冊No. 14B)及びワックスアップ後の模型の写真 (別冊No. 14C)を別に示す。 ワックスアップの目的はどれか。2 つ選べ。

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正解: b・d
正答
b、d
この問題のポイント
診断用ワックスアップでは、欠損部に予定する歯冠形態を立体的に再現し、補綴空隙と治療後の形態を事前に検討します。
解説
診断用ワックスアップは、研究用模型上にワックスで予定補綴歯冠を形成する操作です。これにより、歯冠形態、歯列内での位置、咬合関係、欠損部空隙、支台歯形成量などを視覚化できます。
本症例では下顎臼歯欠損部に対して、利用できる近遠心的・頰舌的・咬合面方向の空隙を確認し、その空隙に適合する歯冠形態を設定することが目的です。診断用ワックスアップは治療計画や患者説明、プロビジョナルレストレーション製作にも役立ちます。
補綴治療のポイント
ワックスアップは形態と空間のシミュレーションです。色調や歯の動揺など、模型上で再現できない情報は別の診査で評価します。
画像の確認
実画像A・Bでは下顎左側臼歯欠損部の広さと対合歯との咬合空隙が口腔内および研究用模型で示され、Cでは欠損部へ歯冠形態をワックスで具体化している。ワックスアップにより補う歯冠形態を設定し、利用可能な欠損部空隙を立体的に確認できるためb、dに対応する。
選択肢の確認
a.咬合高径の設定
誤り。必要に応じて咬合高径の検討に役立つ場合はありますが、本症例の局所的な欠損部ワックスアップの直接目的ではありません。
b.歯冠形態の設定
正しい。予定する補綴歯冠の大きさ、咬頭、隆線、隣接面、咬合面などの形態を模型上で設定できます。
c.歯冠色調の決定
誤り。模型上のワックスアップでは色調を決定できません。色調は口腔内でシェードガイドなどを用いて選択します。
d.欠損部空隙の確認
正しい。欠損部の近遠心幅、頰舌幅、対合歯までの垂直的空隙を確認し、補綴可能な形態を検討できます。
e.最終補綴装置の決定
誤り。ワックスアップは治療計画の判断材料ですが、それだけで最終補綴装置を確定するものではありません。歯周状態、支台歯、患者希望なども総合します。
覚えるポイント
- 診断用ワックスアップは歯冠形態と補綴空隙の確認に役立ちます。
- 色調は模型上では決定できません。
- 治療計画、患者説明、プロビジョナル製作へ活用できます。