118C046|第118回 歯科医師国家試験 過去問
コンポジットレジンと象牙質との接着界面の走査電子顕微鏡像(別冊No. 13)を別 に示す。 矢印間の構造物の機能で正しいのはどれか。2 つ選べ。

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正解: a・e
正答
a、e
この問題のポイント
象牙質接着界面では、脱灰象牙質のコラーゲン線維網へ接着性レジンが浸透して形成される**樹脂含浸層〈ハイブリッド層〉**の役割を理解します。
解説
象牙質表面を酸処理またはセルフエッチング処理すると、表層の無機質が溶解し、コラーゲン線維網が露出します。そこへプライマーとボンディングレジンが浸透・重合して形成されるのが樹脂含浸層です。
樹脂含浸層は、象牙質とコンポジットレジンの間に連続した接着界面を作り、微細機械的な保持を与えます。また、象牙細管を封鎖して、細菌、液体移動、温度刺激などの外来刺激が歯髄へ伝わるのを抑えます。
画像の確認
実画像の走査電子顕微鏡像では、上方のコンポジットレジンと下方の象牙質・象牙細管の間に、上下の黄色矢印で挟まれた多孔質の帯状層が存在する。これは接着性レジンが脱灰象牙質へ浸透した樹脂含浸層で、外来刺激の遮断と微細機械的保持の獲得を担うためa、eとなる。
選択肢の確認
a.外来刺激の遮断
正しい。樹脂含浸層とレジンタグは象牙細管や脱灰象牙質を封鎖し、細菌や液体移動などの外来刺激を遮断します。
b.スミヤー層の除去
誤り。スミヤー層の除去または改質は接着前処理の段階で起こる反応であり、形成された樹脂含浸層の機能ではありません。
c.レジンの重合促進
誤り。レジンの重合は光重合開始系などによって進みます。樹脂含浸層そのものが重合を促進するわけではありません。
d.コラーゲン線維の溶解
誤り。接着操作ではコラーゲン線維網を保存してレジンを浸透させます。樹脂含浸層がコラーゲン線維を溶解するのではありません。
e.微細機械的保持の獲得
正しい。脱灰象牙質の微細なコラーゲン線維網へレジンが浸透・重合することで、微細機械的保持が得られます。
覚えるポイント
- 樹脂含浸層は脱灰象牙質へレジンが浸透して形成されます。
- 主な役割は外来刺激の遮断と微細機械的保持です。
- 過乾燥によるコラーゲン線維網の収縮は接着不良の原因になります。