119A044|第119回 歯科医師国家試験 過去問
76 歳の女性。義歯の新製を希望して来院した。1 年前に下顎部分床義歯を製作 し良好に使用していたが、2 週前に紛失したという。診察の結果、O’Leary の PCR は8 %であり、残存歯の口腔清掃状態は良好であることから、フレームワー クを使用した義歯を製作することとした。なお、上顎残存歯歯列は左右第二大臼歯 部まで認められ、下顎は歯肉縁から口腔底までの距離が5 mm である。初診時の口 腔内写真(別冊No. 9)を別に示す。 義歯の設計で留意すべきなのはどれか。3 つ選べ。

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正解: a・d・e
正答
a、d、e
この問題のポイント
遊離端部分床義歯では、支台歯と顎堤粘膜へ負担を分散し、義歯の沈下・回転を抑える設計が重要です。
解説
遊離端欠損では、歯根膜支持の支台歯と被圧変位量の大きい顎堤粘膜の差により義歯が回転しやすくなります。そのため、支台歯を適切に増やし、義歯床を広くして支持を確保し、オルタードキャスト法で機能時の顎堤形態を模型へ反映します。
歯肉縁から口腔底まで5 mmでは、リンガルバーを設置するための高さが不足します。また、偏心運動時に臼歯部の有害な側方接触を避け、支台歯と顎堤への負担を軽減します。
画像の確認
実画像では下顎に広い遊離端欠損があり、残存歯は前歯部から左側小臼歯部と右側臼歯部に限られる。歯肉縁から口腔底まで5 mmと浅いためリンガルバーの設置余地は乏しく、支台歯を3・4・5に求め、遊離端床の機能印象にオルタードキャスト法を用いる。上顎に第二大臼歯まであるため偏心運動では臼歯部を離開させる設計が望ましい。
選択肢の確認
a.支台歯は、 3 45 とする。
正しい。
複数の適切な支台歯を利用して支持・把持・維持を分散し、遊離端義歯の回転と局所的負担を抑えます。
b.義歯床の面積を小さくする。
誤り。
遊離端義歯では義歯床面積を十分に確保し、顎堤粘膜への圧を分散する必要があります。小さくすると単位面積当たりの負担が増えます。
c.大連結子はリンガルバーとする。
誤り。
リンガルバーには歯肉縁との間隔とバー自体の幅を確保できる十分な垂直距離が必要です。5 mmでは不足するため、別の大連結子を検討します。
d.偏心位では臼歯離開咬合とする。
正しい。
偏心運動時の臼歯部接触を避けることで、遊離端義歯へ加わる側方力と回転を軽減できます。
e.オルタードキャスト法を適用する。
正しい。
オルタードキャスト法は遊離端部顎堤を機能的に印象し、支台歯と粘膜の支持を調和させるために適します。
覚えるポイント
- 遊離端義歯では支持の分散と回転抑制が重要です。
- 義歯床は広くし、オルタードキャスト法を活用します。
- 口腔底までの距離が不足する場合、リンガルバーは選びません。