117C074|第117回 歯科医師国家試験 過去問
72 歳の男性。経口摂取を希望して来院した。2 年前に上顎右側歯肉癌で上顎亜 全摘と肩甲骨・広背筋皮弁による即時再建が行われ、現在まで胃瘻で栄養管理さ れ、義歯は使用していないという。口腔清掃後に行った反復唾液嚥下テストは1 回 (2 回以下を異常値とする)、改訂水飲みテストでは2 点(嚥下あり、むせなし、 呼吸切迫あり)であった。初診時の口腔内写真(別冊No. 30)を別に示す。 次に行うべきなのはどれか。2 つ選べ。

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正解: a・c
正答
a、c
この問題のポイント
スクリーニングで嚥下障害が疑われたら、不顕性誤嚥と実際の食物嚥下能力を追加評価します。
解説
反復唾液嚥下テストが異常で、改訂水飲みテストでも呼吸切迫があるため、誤嚥や咽頭残留の可能性をさらに評価します。咳テストはクエン酸などの刺激に対する咳反射をみて、不顕性誤嚥のリスク評価に役立ちます。
フードテストは少量の半固形物を用いて、嚥下、むせ、呼吸変化、口腔内残留などを確認する直接訓練前の評価です。発語・舌口唇運動や肺機能の検査も有用な場合はありますが、次に嚥下安全性を確認する検査としては優先度が低いです。
症例問題の解き方
スクリーニング異常後は、意識、呼吸、咳反射、食形態、口腔保持、咽頭残留、誤嚥を段階的に評価します。
画像の確認
実画像では、上顎右側の広い術後欠損が皮弁で再建され、口蓋側に食物残渣様の付着もみられる。嚥下スクリーニングで異常を示した症例に、気道防御をみる咳テストと実食評価のフードテストへ進む正答a・cに対応する。
選択肢の確認
a.咳テスト
正答。次に行います。
咳テストで咳反射の感受性を確認し、不顕性誤嚥の危険性を評価します。
b.発語機能検査
この時点で次に行う処置ではありません。
発語機能検査は構音や鼻咽腔閉鎖などの評価に用いますが、誤嚥リスクの次段階評価として最優先ではありません。
c.フードテスト
正答。次に行います。
フードテストで半固形物の嚥下安全性と口腔・咽頭残留を評価します。
d.スパイロメトリ
この時点で次に行う処置ではありません。
スパイロメトリは換気機能を評価しますが、嚥下障害の具体的な食塊通過や誤嚥を直接評価しません。
e.オーラルディアドコキネシス
この時点で次に行う処置ではありません。
オーラルディアドコキネシスは舌・口唇の巧緻性を評価しますが、本症例で次に行う嚥下安全性評価ではありません。
覚えるポイント
- RSSTとMWSTは嚥下スクリーニング。
- 咳テストは不顕性誤嚥リスクを評価する。
- フードテストは食物を用いた嚥下状態を確認する。