115B038第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

上顎左側第二大臼歯にある装置を付与した義歯の写真 (別冊No. 14A と装着時の 口腔内写真 別冊No. 14B を別に示す。 この装置の目的はどれか。 2つ選べ。

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2つ選択
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正解: a・d

正答

a、d

この問題のポイント

義歯に付与された咬合面を被覆する装置は、残存歯の咬合面上に新しい咬合面を設定し、咬合を挙上するとともに、乱れた咬合平面を修正する目的で用います。

解説

部分床義歯では、残存歯の挺出、傾斜、咬耗などによって咬合平面が不整になることがあります。そのまま人工歯を排列すると、咬合接触が不均衡となり、義歯の安定や咀嚼効率が低下します。

このような場合、義歯の構成要素として残存歯の咬合面を覆うオンレー状の装置を設け、新しい咬合接触を与えることがあります。装置の厚みによって咬合高径を増加させ、上下顎の咬合関係を整えます。また、既存の咬合面より適切な高さと傾斜に設定することで、咬合平面を連続的に修正できます。

画像の確認

実画像では、上顎全部床義歯の左側第二大臼歯相当部に金属製の咬合面被覆装置が組み込まれ、装着時には対合する下顎歯と高い位置で接触している。この装置が新しい咬合面の高さと連続性を与えるため、咬合挙上と咬合平面修正というa、dが正答となる。

選択肢の確認

a.咬合の挙上
正しい。
装置の厚みによって上下顎間距離を増加させ、新しい咬合高径を設定できます。

b.緩圧効果の増大
誤り。
緩圧は、支台歯や顎堤へ伝わる力を調整する設計概念です。本装置の主目的は咬合面を新たに設定することであり、緩圧機構の増大ではありません。

c.義歯の破折防止
誤り。
金属構造が義歯の一部を補強する可能性はありますが、この装置を付与する主目的は義歯床の破折防止ではありません。

d.咬合平面の修正
正しい。
挺出や咬耗などによって乱れた残存歯の咬合面を被覆し、人工歯列と連続する適切な咬合平面を形成できます。

e.呼吸機能の改善
誤り。
睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置は下顎を前方へ誘導します。本装置は義歯の咬合高径と咬合平面を整えるもので、呼吸機能改善を主目的としません。

覚えるポイント

  • 咬合面を被覆するオンレー状装置は、咬合挙上に用います。
  • 残存歯の挺出・咬耗がある場合、咬合平面の修正にも有効です。
  • レスト、オンレー、緩圧装置は、形態だけでなく目的で区別します。

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