115B037|第115回 歯科医師国家試験 過去問
32 歳の女性。上顎前歯部の空隙による審美不良を主訴として来院した。転居予 定があり、本日中の審美的改善を希望している。初診時の口腔内写真 (別冊No. 13 A とエックス線画像 (別冊No. 13B を別に示す。 21に対する適切な処置はどれか。 1つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
健全歯質をできるだけ保存しながら、前歯部の空隙を当日中に審美的に改善するには、直接法のコンポジットレジン修復が適しています。
解説
症例は32歳で、上顎前歯部の空隙による審美不良を訴えています。転居予定があり、本日中の改善を希望しています。治療法の選択では、次の条件が重要です。
- 短時間で完了できること
- 歯質削除を最小限にできること
- 歯冠幅径や隣接面形態を調整できること
- 審美性を得られること
コンポジットレジン修復では、エナメル質へ接着処理を行い、歯の隣接面へレジンを追加して空隙を閉鎖できます。多くの場合、直接法で1回の来院中に形態修正・研磨まで行えます。
クラウンは大きな形態修正が可能ですが、全周性の歯質削除が必要です。健全な前歯の小さな空隙を閉鎖するために最初から全部被覆冠を選ぶと、侵襲が大きくなります。
治療選択のポイント
審美治療では、希望する治療期間だけでなく、歯質保存、接着可能なエナメル質量、空隙の大きさ、咬合、歯周組織、左右対称性を総合して選びます。
画像の確認
実画像では、上顎左側前歯間に小さな空隙がある一方、対象歯の歯冠表面には大きな欠損や補綴物がなく、エックス線写真でも歯根周囲に明らかな大病変はみられない。健全歯質を大きく削らず隣接面へ材料を追加して即日閉鎖できるため、コンポジットレジン修復を選ぶ判断を支える。
選択肢の確認
a.陶材焼付冠の装着
誤り。
審美的改善は可能ですが、支台歯形成と技工操作が必要で、健全歯質の削除量も大きくなります。本日中の低侵襲な空隙閉鎖には適しません。
b.レジンコーティング
誤り。
レジンコーティングは、形成直後の象 牙質を接着材や流動性レジンで被覆して保護する処置です。歯冠形態を追加して空隙を閉鎖する治療ではありません。
c.硬質レジン前装冠の装着
誤り。
全部被覆冠であり、支台歯形成と補綴装置の製作が必要です。短時間で健全歯質を保存しながら空隙を閉鎖する方法としては侵襲が大きい選択です。
d.コンポジットレジン修復
正答。最も適切です。
直接法で歯冠隣接面へレジンを追加し、当日中に空隙を閉鎖できます。接着操作により歯質削除を最小限にできます。
e.ジルコニアクラウンの装着
誤り。
高い強度と審美性を得られますが、支台歯形成が必要です。健全な前歯の空隙閉鎖に対して、まず選択する低侵襲治療ではありません。
覚えるポイント
- 小さな前歯部空隙の即日改善には、直接コンポジットレジン修復が有効です。
- 健全歯質が多い症例では、全部被覆冠より低侵襲な方法を優先します。
- 形態修正後は、接触点、歯間乳頭、左右対称性、咬合を確認します。