78AM64第78回 診療放射線技師国家試験 過去問

理工学・放射線科学医用物理超音波

超音波の性質で正しいのはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.音響インピーダンスの差が大きい境界面では反射が強くなる。

問題のポイント

超音波検査では、体内に送った超音波が組織境界で反射し、その反射波を画像化します。

反射の強さは、境界をはさむ2つの組織の音響インピーダンスの差によって決まります。

音響インピーダンス Z は、

Z = 密度 × 音速

で表されます。

なぜ4が正しいか

超音波が異なる組織の境界に当たると、一部は反射し、一部は透過します。

このとき、2つの組織の音響インピーダンスの差が大きいほど、反射が強くなります。

例えば、軟部組織と空気、軟部組織と骨の境界では、音響インピーダンスの差が大きいため、強い反射が起こります。

そのため、

  • 肺や腸管ガスは超音波観察の妨げになりやすい
  • 骨の奥は見えにくい
  • 超音波検査ではゼリーを使って空気層をなくす

といった特徴があります。

したがって、4.音響インピーダンスの差が大きい境界面では反射が強くなる、が正しいです。

他の選択肢との区別

1.空気中を伝播しやすい。
誤りです。
超音波は空気中では伝わりにくく、体表とプローブの間に空気が入ると強く反射されます。
そのため、検査ではゼリーを使って空気を排除します。

2.組織中を進むにつれて増幅される。
誤りです。
超音波は組織中を進むにつれて、吸収、散乱、反射により減衰します。
深部ほど信号は弱くなります。

3.伝播速度は脂肪組織よりも水中の方が遅い。
誤りです。
水中の音速は約1480 m/s、脂肪組織では約1450 m/s程度です。
したがって、水中の方が脂肪組織よりやや速く、選択肢は逆です。

4.音響インピーダンスの差が大きい境界面では反射が強くなる。
正しいです。
組織間の音響インピーダンス差が大きいほど、反射が強くなります。

5.ドプラ効果とは超音波が骨に当たって乱反射する現象である。
誤りです。
ドプラ効果は、反射体が動いているときに、受信周波数が変化する現象です。
血流速度測定などに利用されます。骨による乱反射ではありません。

覚えるポイント

超音波の基本性質は次のように整理します。

  • 空気は苦手:強く反射し、伝わりにくい
  • 組織中では深部へ進むほど減衰する
  • 音響インピーダンス差が大きいほど反射が強い
  • 水中の音速は脂肪組織よりやや速い
  • ドプラ効果は動く反射体による周波数変化

本問では、超音波反射の基本である、音響インピーダンス差が大きいほど反射が強いという4が正答です。

関連問題

78AM6378AM65
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)