78AM63|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
電子と物質との相互作用はどれか。 2 つ選べ。
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正解: 1・5
正答
1.制動放射
5.Cherenkov〈チェレンコフ〉放射
問題のポイント
この問題では、「電子」が物質中を通過するときに起こる相互作用を選びます。
電子は荷電粒子なので、物質中では主に、
- 原子の電子との衝突による電離・励起
- 原子核のクーロン場による減速、つまり制動放射
- 媒質中の光速を超えて進む場合のチェレンコフ放射
などを起こします。
なぜ制動放射が正しいか
制動放射は、高速電子が原子核の近くを通過するとき、原子核のクーロン力によって進行方向を曲げられたり減速したりすることで発生します。
このとき、電子が失ったエネルギーの一部がX線として放出されます。
これが制動X線です。
したがって、制動放射は電子と物質との相互作用です。
なぜチェレンコフ放射が正しいか
チェレンコフ放射は、荷電粒子が媒質中を、その媒質中の光速より速く進むときに発生する光です。
電子は荷電粒子なので、十分な速度を持って水や組織などの媒質中を進むと、チェレンコフ放射を生じることがあります。
したがって、5.Cherenkov〈チェレンコフ〉放射も電子と物質との相互作用です。
他の選択肢との区別
1.制動放射
正しいです。
高速電子が原子核のクーロン場で減速・偏向され、X線を放出する相互作用です。
2.光核反応
誤りです。
光核反応は、高エネルギー光子が原子核と相互作用して、中性子などを放出する反応です。
電子と物質との相互作用ではなく、光子と原子核との相互作用です。
3.電子対生成
誤りです。
電子対生成は、高エネルギー光子が原子核近傍で電子と陽電子の対を生成する現象です。
これは光子と物質との相互作用です。
4.コンプトン散乱
誤りです。
コンプトン散乱は、光子が軌道電子と相互作用して、散乱光子と反跳電子を生じる現象です。
電子が出てきますが、主役は入射光子なので、光子と物質との相互作用として分類されます。
5.Cherenkov〈チェレンコフ〉放射
正しいです。
荷電粒子である電子が媒質中の光速を超えて進むときに発生します。
覚えるポイント
相互作用は、入射する粒子で分類します。
電子と物質:
- 電離・励起
- 制動放射
- チェレンコフ放射
光子と物質:
- 光電効果
- コンプトン散乱
- 電子対生成
- 光核反応
本問では、電子と物質との相互作用として、制動放射とチェレンコフ放射が正答です。