77AM61|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
光子と物質の相互作用で正しいのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、光子と物質の相互作用について問われています。
正しいのは、コンプトン散乱では散乱光子の波長が入射光子の波長より長くなるという記述です。
コンプトン散乱では、入射光子が電子にエネルギーの一部を与えます。
その結果、散乱後の光子はエネルギーが低下し、波長が長くなります。
解説
光子と物質の主な相互作用には、次のようなものがあります。
- 光電効果
- コンプトン散乱
- 電子対生成
このうち、コンプトン散乱では、光子が主に外殻電子や自由電子に近い電子と衝突し、電子にエネルギーを与えます。
エネルギーを失った散乱光子は、入射光子よりエネルギーが低くなります。
光子のエネルギーと波長には、次の関係があります。
- E = hc / λ
ここで、E は光子エネルギー、h はプランク定数、c は光速、λ は波長です。
エネルギー E が小さくなると、波長 λ は長くなります。
したがって、コンプトン散乱では、散乱光子の波長は入射光子の波長より長くなります。
ひっかけポイント
コンプトン散乱では、散乱光子はエネルギーを失います。
そのため、エネルギーは低下し、波長は長くなります。
他の相互作用との整理
光電効果では、光子エネルギーが軌道電子にすべて与えられ、光電子が放出されます。
電子対生成では、光子エネルギーが 1.022 MeV 以上のとき、原子核近傍で電子と陽電子の対が生成されます。
陽電子は運動エネルギーを失った後、電子と結合して消滅放射線を発生します。
選択肢の確認
1.誤り。
特性 X 線は、原子の内殻電子の空位に外殻電子が遷移するときに発生します。
エネルギーは元素固有であり、線スペクトルを示します。
連続スペクトルを持つのは制動 X 線です。
2.誤り。
光電効果は、主に内殻電子で起こります。
特に K 殻など結合エネルギーの大きい電子が関与しやすく、最外殻の電子で起こることが多いとはいえません。
3.誤り。
電子対生成では、電子と陽電子が生成されます。
陽電子は発生位置ですぐに消滅放射線を出すとは限らず、周囲の物質中でエネルギーを失った後、電子と対消滅して消滅放射線を発生します。
4.正しい。
コンプトン散乱では、光子が電子にエネルギーの一部を与えます。
散乱光子は入射光子よりエネルギーが低くなるため、波長は長くなります。
5.誤り。
電子対生成には、少なくとも 1.022 MeV の光子エネルギーが必要です。
1 MeV では電子対生成のしきいエネルギーに達していません。
したがって、鉛で電子対生成が主であるとはいえません。
覚えるポイント
- 特性 X 線は線スペクトル。
- 制動 X 線は連続スペクトル。
- 光電効果は主に内殻電子で起こる。
- コンプトン散乱では散乱光子の波長が長くなる。
- 電子対生成のしきいエネルギーは 1.022 MeV。