77PM63第77回 診療放射線技師国家試験 過去問

理工学・放射線科学物質との相互作用中性子

中性子と物質との相互作用で正しいのはどれか。

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正解: 5

正答

5

この問題のポイント

中性子は電荷をもたないため、電子とのクーロン相互作用ではなく、主に原子核との相互作用を起こします。

速中性子は物質中で散乱や吸収を受け、厚さが増すにつれて強度が指数関数的に減少します。

解説

中性子は電気的に中性であるため、荷電粒子のように物質中の軌道電子と連続的に強く相互作用するわけではありません。

中性子の主な相互作用は、原子核との弾性散乱、非弾性散乱、捕獲反応、核反応などです。

速中性子は、主に弾性散乱によってエネルギーを失います。特に水素のような軽い原子核では、質量が中性子に近いため、1 回の衝突で効率よく減速できます。そのため、中性子の減速材には水、パラフィン、ポリエチレンなど、水素を多く含む物質が用いられます。

速中性子が物質を通過すると、散乱や吸収によって数が減少します。狭いビーム条件では、強度は物質の厚さに対して指数関数的に減少すると考えます。

ひっかけポイント
中性子は電荷をもたないため、電子ではなく原子核との相互作用が中心です。
減速材は高原子番号物質ではなく、水素を多く含む低原子番号物質が重要です。

選択肢の確認

1.誤り。
熱中性子でも相互作用は生じます。むしろ熱中性子は中性子捕獲反応を起こしやすく、原子炉、遮蔽、放射化、ホウ素中性子捕捉療法などで重要です。

2.誤り。
中性子は電荷をもたないため、物質の軌道電子との相互作用が主ではありません。主な相互作用は原子核との散乱や捕獲です。

3.誤り。
減速材には、水、パラフィン、ポリエチレンなど、水素を多く含む低原子番号物質が用いられます。高原子番号物質は中性子の減速材として効率がよいとはいえません。

4.誤り。
多くの核種では、熱中性子領域の中性子捕獲断面積は中性子速度に反比例する傾向、すなわち 1/v 則を示します。速度に比例するという記述は不適切です。

5.正しい。
速中性子は、物質中で散乱や吸収を受け、物質の厚さとともに強度が指数関数的に減少します。遮蔽計算や減弱の基本的な考え方です。

覚えるポイント

  • 中性子は電荷をもたず、主に原子核と相互作用します。
  • 速中性子は主に弾性散乱で減速します。
  • 減速材には、水素を多く含む水、パラフィン、ポリエチレンなどを用います。
  • 熱中性子は捕獲反応を起こしやすいです。
  • 速中性子は物質厚とともに指数関数的に減少します。

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