78AM62|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
特性 X 線で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
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正解: 1・2
正答
1.オージェ電子と競合して放出される。
2.原子番号が高いほど波長が短くなる。
問題のポイント
特性X線は、原子の内殻電子が抜けたあと、その空孔を外側の軌道電子が埋めるときに発生するX線です。
電子が外殻から内殻へ移ると、軌道間のエネルギー差が放出されます。
そのエネルギーがX線として放出されたものが特性X線です。
特性X線のエネルギーは元素ごとに決まるため、「特性」という名前がついています。
なぜ1が正しいか
内殻空孔が生じたあと、外殻電子がその空孔へ遷移すると、余分なエネルギーが放出されます。
このエネルギーの放出方法には、主に2つあります。
- 特性X線として放出される
- 他の軌道電子にエネルギーを与え、オージェ電子として放出される
つまり、特性X線の放出とオージェ電子の放出は競合する現象です。
したがって、1.オージェ電子と競合して放出される、は正しいです。
なぜ2が正しいか
原子番号が高い元素ほど、原子核の正電荷が大きくなり、内殻電子は強く束縛されます。
そのため、内殻と外殻のエネルギー差が大きくなり、特性X線のエネルギーも高くなります。
X線のエネルギー E と波長 λ は、
E = hc / λ
の関係にあります。
エネルギーが高いほど波長は短くなるため、原子番号が高いほど特性X線の波長は短くなります。
したがって、2.原子番号が高いほど波長が短くなる、は正しいです。
他の選択肢との区別
1.オージェ電子と競合して放出される。
正しいです。
内殻空孔の緩和過程では、特性X線放出とオージェ電子放出が競合します。
2.原子番号が高いほど波長が短くなる。
正しいです。
原子番号が高いほど特性X線のエネルギーが高くなり、波長は短くなります。
3.エネルギー分布は連続スペクトルである。
誤りです。
特性X線は軌道間のエネルギー差で決まるため、線スペクトルを示します。
連続スペクトルを示すのは制動X線です。
4.中性子と物質との相互作用によって発生する。
誤りです。
特性X線は主に、内殻電離によって生じた空孔を外殻電子が埋めることで発生します。
中性子と物質との相互作用を直接の発生機序とするものではありません。
5.電子が原子核のクーロン力によって減速する過程で発生する。
誤りです。
これは制動X線の説明です。
電子が原子核近傍で減速・方向変化することで発生するX線が制動X線です。
覚えるポイント
特性X線と制動X線を対比して覚えます。
特性X線:
- 内殻空孔を外殻電子が埋めるときに発生
- 線スペクトル
- 元素固有のエネルギー
- オージェ電子放出と競合
- 原子番号が高いほど高エネルギー、短波長
制動X線:
- 高速電子が原子核のクーロン場で減速して発生
- 連続スペクトル
本問では、特性X線の特徴として正しい1と2が正答です。