119B032第119回 歯科医師国家試験 過去問

基礎歯科医学生理・生化学・薬理

85 歳の男性。口腔衛生管理を希望して入所中の特別養護老人ホームから訪問診 療の依頼があった。認知症、誤嚥性肺炎、高血圧症の既往があり、降圧薬を服用し ている。胃瘻による経腸栄養管理が行われており、4 年以上経口摂取をしていな い。初診時の口腔内写真(別冊No. 6)を別に示す。 まず行うのはどれか。1 つ選べ。

119B032の問題画像
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正解: d

正答

d

この問題のポイント

長期間経口摂取をしていない要介護高齢者では、乾燥して固着した口腔内汚染物を無理に除去せず、まず 口腔保湿剤を塗布して軟化させます。

解説

胃瘻管理中でも唾液や剝離上皮、細菌性バイオフィルムは口腔内に蓄積します。経口摂取がないことで咀嚼・嚥下による自浄作用が低下し、口腔乾燥や痂皮状の汚染物が生じやすくなります。

まず保湿して付着物を軟化させ、吸引を併用しながら安全に清掃します。傾眠、認知症、誤嚥性肺炎の既往がある患者では、水分や剝離物の誤嚥を避けることが重要です。

画像の確認

実画像では口蓋から舌背にかけて乾燥した黄褐色の痂皮状付着物が広範囲に固着し、粘膜の発赤もみられる。直ちに器械的除去を始めるのではなく、まず口腔保湿剤で軟化・湿潤させて粘膜損傷を避ける。

選択肢の確認

a.間接訓練
この時点で行う処置ではありません。
間接訓練は嚥下評価と全身状態を踏まえて計画します。乾燥した口腔内の衛生管理で最初に行う処置ではありません。

b.抗菌薬の投与
この時点で行う処置ではありません。
感染徴候や細菌感染の診断なく抗菌薬を投与しません。口腔汚染の機械的・保湿管理が優先です。

c.口腔機能精密検査
この時点で行う処置ではありません。
口腔機能精密検査は状態に応じて行いますが、固着した汚染物への初期対応より先ではありません。

d.口腔保湿剤の塗布
正答。まず行います。
口腔保湿剤で乾燥した粘膜と付着物を湿潤・軟化させ、安全な清掃につなげます。

e.超音波スケーラーによる歯石除去
この時点で行う処置ではありません。
超音波スケーラーによる歯石除去は必要になることがありますが、乾燥・固着物への保湿と誤嚥防止を先に行います。

覚えるポイント

  • 経口摂取がなくても口腔衛生管理は必要です。
  • 乾燥した付着物は保湿してから除去します。
  • 誤嚥リスクが高い患者では吸引と体位に配慮します。

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