119A083|第119回 歯科医師国家試験 過去問
74 歳の女性。上顎右側臼歯部の義歯紛失による咀嚼困難を主訴として来院した。 診察の結果、残存歯の歯周組織に問題を認めないことからレジン床による上顎部分 床義歯を製作することとした。下顎残存歯列は左右第二大臼歯まで認められた。初 診時の口腔内写真(別冊No. 30)を別に示す。 義歯の設計で考慮すべきなのはどれか。3 つ選べ。

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正解: a・c・d
正答
a、c、d
この問題のポイント
部分床義歯では、支持・把持・維持を確保し、着脱方向を規制して、機能力をできるだけ支台歯の歯軸方向へ伝える設計が重要です。
解説
把持作用は義歯の水平方向への動揺を抑えます。ガイドプレーンと隣接面板などを利用して着脱方向を一定にすると、義歯の安定と支台装置の機能を確保できます。レストは咬合力を支台歯へ伝え、義歯の沈下を防ぎます。
レジン床部分床義歯であっても、残存歯の歯周組織が良好なら歯による支持を積極的に活用します。粘膜だけに負担させる形態は沈下や回転を生じやすく、残存歯と顎堤の条件に応じて負担を分散します。
画像の確認
実画像では上顎右側犬歯・小臼歯部(3〜5)が欠損し、第一大臼歯を含む左右の残存歯に多数の金属修復物がある。片側性の中間欠損へ部分床義歯を設計する際は、支台装置で把持・誘導して着脱方向を規制し、咬合力を支台歯の長軸方向へ伝え、側方力に対する抵抗を与える必要がある。
選択肢の確認
a.把持作用の活用
正しい。
把持作用を活用すると、義歯の側方・水平方向の動揺を抑え、咀嚼時の安定を高められます。
b.粘膜負担型の形態
誤り。
残存歯の歯周組織に問題がないため、粘膜だけに支持を求める設計ではなく、レストなどによる歯牙支持を活用します。
c.義歯着脱方向の規制
正しい。
ガイドプレーンと支台装置を適切に配置して義歯の着脱方向を規制すると、維持・把持が安定し、支台歯への不要な力を減らせます。
d.歯軸方向への機能力の伝達
正しい。
レストを適切に設け、機能力を支台歯の長軸方向へ伝えることで、支台歯に有害な側方力を加えにくくします。
e.義歯床口蓋部へのビーディング付与
誤り。
ビーディングは主に金属床の大連結子辺縁を明瞭にし、粘膜との適合を補う操作です。レジン床口蓋部へ一律に付与する設計事項ではありません。
覚えるポイント
- 部分床義歯の基本は支持・把持・維持です。
- ガイドプレーンは着脱方向の規制に関与します。
- レストは義歯の沈下を防ぎ、力を歯軸方向へ伝えます。
- 良好な支台歯があれば歯牙支持を活用します。