118D065第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

87 歳の女性。下顎前歯の著しい動揺と咀嚼困難を主訴として来院した。診察の 結果、③2 1 1 ②③ ブリッジの支台歯の抜去と、ある補綴装置の製作を行うこと とした。初診時の口腔内写真(別冊No. 25A)、製作過程の写真(別冊No. 25B)及び 補綴装置装着時の口腔内写真(別冊No. 25C)を別に示す。 この補綴装置について正しいのはどれか。2 つ選べ。

118D065の問題画像
2つ選択
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正解: a・b

正答

a、b

この問題のポイント

抜歯と同日に装着する即時義歯では、抜歯前に印象・義歯製作を行うため、前歯部のろう義歯試適ができません。抜歯窩治癒に伴う顎堤変化のため、装着後にリラインが必要です。

解説

即時義歯は、審美・咀嚼・創傷保護を保ちながら抜歯直後から使用できる利点があります。一方、抜歯予定歯が残った状態で模型上の歯を削除して人工歯を排列するため、完成前の口腔内試適が制限されます。

抜歯後は歯槽骨吸収と軟組織治癒により適合が変化するため、粘膜調整やリラインを行い、必要に応じて最終義歯を再製作します。

画像の確認

実画像Bでは、抜歯予定歯を残した状態で咬合採得を行い、模型上で前歯を削除して義歯を完成させている。Cは抜歯直後に装着された即時義歯であるため、抜歯前にろう義歯試適はできず、治癒に伴う顎堤形態の変化に対して後日のリラインが必要になる。

選択肢の確認

a.リラインを必要とする。
正しい。
即時義歯は抜歯後の顎堤変化で不適合になりやすく、リラインを必要とします。

b.ろう義歯試適ができない。
正しい。
抜歯予定歯が口腔内に残っているため、前歯部を含む完成形のろう義歯試適はできません。

c.抜歯後に咬合高径が変化する。
誤り。
即時義歯は抜歯前の顎間関係を基準に咬合高径を維持して製作し、抜歯そのものによって意図的に咬合高径を変える装置ではありません。

d.レストシートが形成できない。
誤り。
残存歯の状態によってはレストシートを形成できます。即時義歯で一律に形成できないわけではありません。

e.シリコーンゴム印象材で印象採得する。
誤り。
印象材は症例に応じて選択しますが、即時義歯で必ずシリコーンゴム印象材を用いるわけではありません。

覚えるポイント

  • 即時義歯は抜歯当日に装着します。
  • 前歯部のろう義歯試適は困難です。
  • 治癒による顎堤変化のためリラインが必要です。

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