118C064|第118回 歯科医師国家試験 過去問
86 歳の男性。上顎全部床義歯の不適合を主訴として来院した。新義歯製作目的 で印象採得中に印象材が咽頭に流れ込み、強い呼吸困難を訴えた。腹部突き上げ法 で印象材の除去を試みたが不可能で、その後意識を消失した。このときの生体情報 モニタ画面の写真(別冊No. 25)を別に示す。 まず行う処置はどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
気道異物除去に失敗した患者が意識を失った場合は、反応と正常呼吸を確認し、心停止として胸骨圧迫を開始します。
解説
意識のある成人の重度気道閉塞では背部叩打や腹部突き上げ法を行います。しかし患者が意識を失ったら、床へ安全に仰臥位とし、応援・救急要請とAED手配を行って胸骨圧迫を開始します。
胸骨圧迫による胸腔内圧上昇は循環を維持するだけでなく、異物を押し出す力にもなります。気道を開く際には口腔内に見える異物だけを除去し、盲目的に指を入れて異物を奥へ押し込まないようにします。
全身管理上の注意点
気道異物による意識消失後は、異物除去だけに固執せず心肺蘇生へ移行します。
画像の確認
実画像の生体情報モニタは心拍数5回/分、SpO2 55%、血圧45/21 mmHgを示し、心電図も極端に間隔の長い拍動となっている。窒息後に意識を失った重篤な低酸素・循環不全の状態であり、まず胸骨圧迫心マッサージを開始するdに対応する。
選択肢の確認
a.背部叩打法
誤り。背部叩打法は意識のある重度気道閉塞で行います。意識消失後の最初の処置は胸骨圧迫です。
b.電気的除細動
誤り。電気的除細動はAEDが除細動適応波形を判定した場合に行いますが、まず胸骨圧迫を開始します。
c.フルマゼニルの投与
誤り。フルマゼニルはベンゾジアゼピン系薬の拮抗薬であり、印象材による気道閉塞には適応がありません。
d.胸骨圧迫心マッサージ
正答。まず行います。意識を失った気道異物患者では、胸骨圧迫心マッサージを開始して循環維持と異物排出を図ります。
e.ラリンジアルマスクの挿入
誤り。完全閉塞が続く状況でラリンジアルマスクを先に挿入しても異物を除去できず、まず胸骨圧迫を行います。
覚えるポイント
- 意識のある窒息では背部叩打・腹部突き上げを行います。
- 意識消失後は胸骨圧迫から心肺蘇生を開始します。
- 見えない異物を指で盲目的に探りません。