118C065第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科矯正学

6 歳の女児。歯並びが悪いことを主訴として来院した。口唇裂と口蓋裂に対する 手術の既往がある。診断の結果、ある装置を用いて矯正歯科治療を行うこととし た。初診時の口腔内写真(別冊No. 26A)とエックス線画像(別冊No. 26B)を別に示 す。セファロ分析の結果を図に示す。 適切な装置はどれか。3 つ選べ。

118C065の問題画像
3つ選択
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正解: a・c・e

正答

a、c、e

この問題のポイント

唇顎口蓋裂術後の混合歯列初期では、上顎歯列弓の狭窄、上顎劣成長、歯列弓分節の位置異常を評価し、成長を利用した装置を選択します。

解説

口蓋形成術後は瘢痕の影響で上顎歯列弓が狭窄し、側方交叉咬合や上顎劣成長を生じやすくなります。緩徐拡大装置で歯列弓幅径を拡大し、上顎前方牽引装置で上顎骨の前方成長を促します。

唇顎口蓋裂では左右の上顎歯槽部が不連続または位置不調和を示すことがあり、スライディングプレートを用いて歯列弓分節を誘導することがあります。装置選択は裂型、骨欠損、萌出状態、手術歴を踏まえて行います。

画像の確認

実画像Aでは口蓋裂術後の上顎歯列弓が狭く、分節の位置不調和と前歯部反対咬合を認め、Bとセファロ分析では上顎の前後的劣成長が示されている。幅径には緩徐拡大装置、上顎前方成長には前方牽引装置、裂部の歯列弓分節誘導にはスライディングプレートを用いるa、c、eが適する。

選択肢の確認

a.緩徐拡大装置
正しい。緩徐拡大装置は、術後瘢痕などによって狭窄した上顎歯列弓を徐々に拡大するために用います。

b.リップバンパー
誤り。リップバンパーは主に下唇・頰圧を排除して下顎歯列弓の拡大や臼歯固定に用いる装置で、本症例の中心的適応ではありません。

c.上顎前方牽引装置
正しい。上顎劣成長と骨格性反対咬合に対し、上顎前方牽引装置で上顎骨の前方成長を促します。

d.トゥースポジショナー
誤り。トゥースポジショナーは主に動的治療終盤の歯列微調整や保定に用い、6歳の第一期治療で上顎狭窄を改善する装置ではありません。

e.スライディングプレート
正しい。スライディングプレートは唇顎口蓋裂に伴う上顎歯列弓分節の位置関係を誘導する目的で用いられます。

覚えるポイント

  • 唇顎口蓋裂術後は上顎狭窄と上顎劣成長を生じやすいです。
  • 緩徐拡大装置で幅径を、上顎前方牽引装置で前後的位置を改善します。
  • 裂隙部と歯列弓分節の状態に応じてスライディングプレートを用います。

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