117A063第117回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

78 歳の女性。食事がしにくいことを主訴として来院した。3 か月前に他院で全 部床義歯を製作し、上顎義歯の脱落と下顎義歯の浮き上がりはないとのことであっ たが、装着当初から嚙みにくかったという。咬合接触状態を印記した義歯の写真 (別冊No. 23A)と検査中の顔貌写真(別冊No. 23B)を別に示す。 行う処置はどれか。2 つ選べ。

117A063の問題画像
2つ選択
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正解: a・d

正答

a、d

この問題のポイント

義歯の維持・安定に問題がなく、装着当初から咬みにくい場合は、床適合ではなく咬合接触と人工歯咬合面を見直します。

解説

本症例では上顎義歯の脱落や下顎義歯の浮き上がりがなく、床の維持安定不良は主訴の中心ではありません。咬合接触の不均衡や人工歯咬合面形態が咀嚼困難の原因と考えられるため、咬合調整と必要に応じた咬合面再形成を行います。

咬合調整では中心咬合位と偏心運動時の早期接触・咬頭干渉を除きます。咬合面再形成では咬頭、溝、食物溢出路などを再構成し、咀嚼効率を改善します。

画像の確認

実画像では、咬合接触の赤い印記が上下義歯とも前歯部に偏り、臼歯部の接触点は少なく不均一である。床の脱落や浮き上がりではなく咬合面形態と接触配分の問題が視覚化されているため、咬合調整と咬合面再形成の正答a・dを支持する。

選択肢の確認

a.咬合調整
正しい。
不均衡な咬合接触を修正し、義歯の安定と咀嚼効率を改善するため適切です。

b.リライン
誤り。
リラインは床粘膜面の適合不良に用います。本症例では義歯の脱落・浮き上がりがなく、主な適応ではありません。

c.リリーフ
誤り。
リリーフは局所的な粘膜圧迫を軽減する処置で、装着当初からの咬みにくさに対する中心処置ではありません。

d.咬合面再形成
正しい。
人工歯咬合面の形態が不適切な場合、咬頭・溝を再形成して食物破砕と咬合接触を改善します。

e.ポストダムの付与
誤り。
ポストダムは上顎全部床義歯後縁の封鎖と維持に関係しますが、本症例では脱落がなく適応ではありません。

覚えるポイント

  • 維持安定が良好なら、まず咬合と咬合面形態を評価します。
  • 咬合調整は早期接触・干渉を除去します。
  • リラインは床適合不良、ポストダムは上顎後縁封鎖の問題で用います。

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