116D080|第116回 歯科医師国家試験 過去問
社会歯科公衆衛生・予防歯科
58 歳の男性。下顎右側大臼歯部で食物が咬みきれないことを主訴として来院し た。数か月前から気付いていたが、痛みがないのでそのままにしていたという。歯 髄電気診に生活反応を示した。初診時の口腔内写真(別冊No. 30)を別に示す。 適切な対応はどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
生活歯で、咬合面の限局性齲窩により食物を咬み切りにくい場合は、歯質保存的な直接修復を選びます。
解説
口腔内写真では大臼歯咬合面に限局した齲蝕性の実質欠損がみられ、歯髄電気診には生活反応があります。感染歯質を除去し、接着操作を行ってコンポジットレジン修復するのが適切です。
全部金属冠は健全歯質削除量が大きく、限局病変には過剰です。フッ化物塗布は非実質欠損性の初期う蝕管理には有効ですが、すでに咀嚼機能障害を生じる齲窩を形態回復できません。
画像の確認
実画像では、下顎右側大臼歯の咬合面に着色した深い実質欠損があり、周囲の咬頭・辺縁隆線は大部分保たれている。生活反応のある歯で局所的な欠損を封鎖し咬合面形態を回復すればよいので、全部被覆冠より歯質保存的なコンポジットレジン修復が合う。
選択肢の確認
a.経過観察
誤り。咀嚼機能障害を生じる実質欠損があり、経過観察だけでは改善しません。
b.歯冠形態修正
誤り。単なる歯冠形態修正では齲蝕感染歯質の除去と欠損部の封鎖ができません。
c.全部金属冠修復
誤り。全部金属冠修復は歯質削除量が大きく、限局性咬合面病変には侵襲が過大です。
d.フッ化物歯面塗布
誤り。フッ化物歯面塗布は再石灰化可能な初期病変に有効ですが、齲窩の形態回復にはなりません。
e.コンポジットレジン修復
正答。最も適切です。感染歯質を除去してコンポジットレジンで直接修復し、咬合面形態を回復します。
覚えるポイント
- 生活歯の限局性齲窩は接着性直接修復を検討します。
- 実質欠損の有無で非侵襲管理と修復を分けます。
- 全部被覆冠は必要最小限の侵襲という観点で過剰です。