116D079|第116回 歯科医師国家試験 過去問
74 歳の女性。下顎左側犬歯部の歯肉腫脹を主訴として来院した。自発痛および 打診痛はない。初診時の口腔内写真(別冊No. 29A)、口内法エックス線画像(別冊 No. 29B)及び 3 部の歯科用コーンビームCT(別冊No. 29C)を別に示す。 適切な対応はどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
根管治療済み歯の腫脹では、二次元像だけでなくCBCTで根の残存量、穿孔、吸収、歯周組織との交通を評価します。
解説
提示されたCBCTでは、歯根中央から歯頸部にかけて大きな歯質欠損と歯周組織への交通があり、保存可能な健全歯質が著しく不足しています。無症状でも歯肉腫脹が生じているため、感染源を確実に除去する必要があります。
感染根管治療や歯根尖切除ではこの広範な根部欠損を修復できず、意図的再植にも適しません。予知性のある保存が困難なため抜歯を選択します。
画像の確認
実画像では、根管治療済み下顎左側犬歯の頰側歯肉に半球状腫脹があり、CBCT横断・矢状断では歯根中央から歯頸側に大きな歯質欠損と根管外への交通がみえる。根尖だけを切除して解決できる位置・範囲ではなく保存可能な根質が乏しいため、感染源を確実に除く抜歯が適切となる。
選択肢の確認
a.経過観察
誤り。腫脹があり、CBCTで広範な根部欠損と交通を認めるため、経過観察だけでは感染源が残ります。
b.感染根管治療
誤り。感染根管治療は根管内感染へ有効ですが、広範な穿孔・歯質欠損を回復できません。
c.意図的再植
誤り。意図的再植は口腔外で根尖処置などを行い再植する方法ですが、根の保存性が低い本歯には適しません。
d.歯根尖切除
誤り。歯根尖切除は根尖部病変への外科処置で、歯頸部から根中央部の広範な欠損を解決しません。
e.抜 歯
正答。最も適切です。保存可能な歯根構造が不足し、感染源除去のため抜歯が必要です。
覚えるポイント
- CBCTは穿孔・吸収の三次元的広がりを評価します。
- 処置は病変部位と残存歯質量で選びます。
- 保存の予知性が低い広範根部欠損では抜歯を検討します。