116C046|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科補綴学
上顎義歯の写真(別冊No. 17)を別に示す。 矢印で示す構造の役割はどれか。3 つ選べ。

3つ選択
解答・解説を見る
正解: a・b・c
正答
a、b、c
この問題のポイント
矢印は金属床の辺縁に設けるビーディングを示します。口蓋粘膜との密着、鋳造収縮の補償、舌感の改善に関与します。
解説
上顎金属床の大連結子周囲では、作業模型上に浅い溝を形成して鋳造体の粘膜面にわずかな隆線を作ります。これをビーディングといいます。
ビーディングは金属床辺縁を粘膜へ密着させて辺縁封鎖性を高め、鋳造収縮による浮き上がりを補償します。また辺縁を明瞭かつ滑らかにし、舌が触れたときの違和感を減らします。
画像の確認
実画像では、矢印が上顎部分床義歯の口蓋金属床外周に沿う細い連続した隆線を示している。レジンとの接合線ではなく粘膜に接する金属辺縁のビーディングであり、滑らかな辺縁による舌感、鋳造収縮の補償、粘膜への密着による辺縁封鎖の3作用につながる。
選択肢の確認
a.舌感の向上
正しい。金属床辺縁の移行を滑らかにし、舌が感じる段差や違和感を減らします。
b.鋳造収縮の補償
正しい。わずかな隆線によって鋳造収縮による金属床辺縁の不適合を補償します。
c.辺縁封鎖性の向上
正しい。口蓋粘膜へ密着させ、食片迷入を抑え、辺縁封鎖性を向上させます。
d.レジン塡入時の移動防止
誤り。レジン塡入時の金属フレーム移動防止は埋没・固定操作で管理し、ビーディングの役割ではありません。
e.フィニッシュラインの明示
誤り。フィニッシュラインは金属とレジンの境界を明示する構造であり、矢印の外周ビーディングとは異なります。
覚えるポイント
- ビーディングは金属床辺縁の粘膜面隆線。
- 舌感、鋳造収縮補償、辺縁封鎖性に関与する。
- フィニッシュラインとの違いを整理する。