116B085第116回 歯科医師国家試験 過去問

歯科医学総合総合問題

72 歳の男性。食事時のむせを主訴として来院した。脳梗塞の既往があり、脳神 経内科に通院中であるという。口腔機能検査では異常が認められなかったものの、 嗄声を生じていたので耳鼻咽喉科医に精査を依頼した。嚥下内視鏡検査の結果、液 体摂取時に誤嚥が認められたため、機能改善を目指した訓練を行うこととした。安 静時と「イ」発声時の嚥下内視鏡画像(別冊No. 37)を別に示す。 推奨されるのはどれか。1 つ選べ。

116B085の問題画像
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正解: c

正答

c

この問題のポイント

嚥下内視鏡で発声時の声門閉鎖不全がみられる場合は、声門閉鎖を強化する訓練を選びます。

解説

嗄声があり、「イ」発声時にも声門閉鎖が不十分で、液体で誤嚥しています。この場合は、上肢などを押しながら強く発声・嚥下するプッシング訓練が推奨されます。全身に力を入れる動作を利用して声帯内転と声門閉鎖を促し、嚥下時の気道防御を改善します。循環器疾患や血圧上昇リスクがある患者では負荷に注意します。

画像の確認

実画像では、安静時に声門が開いており、「イ」発声時にも左右声帯が正中で完全には接触せず細い隙間が残っている。本文の嗄声と液体誤嚥を合わせると声門閉鎖の弱さが標的であり、声帯内転を促す努力性発声を用いるプッシング訓練を選ぶ。

選択肢の確認

a.咀嚼訓練
この条件では最も適切ではありません。
咀嚼訓練は食塊形成や咀嚼能力の改善を目的とし、声門閉鎖不全への直接的訓練ではありません。

b.舌抵抗訓練
この条件では最も適切ではありません。
舌抵抗訓練は舌圧と口腔期の送り込みを改善しますが、発声時の声門閉鎖不全が主病態の本症例では第一選択ではありません。

c.プッシング訓練
正答。最も適切です。
プッシング訓練は努力性発声を利用して声帯内転を促し、声門閉鎖と気道防御を強化します。

d.バルーン拡張訓練
この条件では最も適切ではありません。
バルーン拡張訓練は主に食道入口部の開大不全や通過障害に対して行います。

e.ブローイング訓練
この条件では最も適切ではありません。
ブローイング訓練は呼気や鼻咽腔閉鎖などの訓練に用いますが、声帯内転を直接強化する主訓練ではありません。

覚えるポイント

  • 声門閉鎖不全にはプッシング訓練。
  • 舌抵抗訓練は舌圧、バルーン訓練は食道入口部を主に対象とする。
  • FEESでは咽頭残留、喉頭侵入、誤嚥、声門運動を確認する。

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