116B038|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科補綴学
79 歳の女性。上顎義歯の不安定による咀嚼困難を主訴として来院した。義歯は 15 年前に装着したが、数年前から義歯の動揺を認めるようになったという。診察 の結果、上顎義歯を製作することとした。初診時の口腔内写真(別冊No. 13A)と 個人トレーの写真(別冊No. 13B、C)を別に示す。 矢印が示す構造の目的はどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
フラビーガムの印象では、可動性粘膜を加圧変形させずに記録する工夫が必要です。
解説
写真では上顎前歯部のフラビーガムに対応して個人トレーを開窓し、周囲を採得した後に低圧で別に印象する構造が示されています。目的は、印象材の圧力で顎堤粘膜が変形するのを防ぐことです。変形した状態を印象すると、完成義歯が粘膜の復位力で押し戻され、動揺や疼痛の原因になります。
画像の確認
実画像では、上顎前歯部顎堤に丸く隆起した可動性を疑う軟らかな粘膜が複数みられる。個人トレーでは同部に相当する前方が大きく開窓され、開口部を覆う別体の薄いトレー片も示されているため、印象圧によるフラビーな顎堤粘膜の変形を避ける構造だと判断できる。
選択肢の確認
a.動的印象の採得
誤り。
動的印象は機能時の粘膜形態を記録する方法で、写真の開窓構造の主目的ではありません。
b.印象材の硬化促進
誤り。
開窓やリリーフは印象材の硬化を速めるための構造ではありません。
c.印象材の変形防止
誤り。
印象材そのものの変形防止ではなく、可動性の高い顎堤粘膜への圧を減らすことが目的です。
d.顎堤粘膜の変形防止
正しい。
フラビーガム部への圧力を避け、顎堤粘膜を無圧または低圧で記録するための構造です。
e.個人トレーの位置決め
誤り。
ストッパーは個人トレーの位置決めに用いますが、矢印で示された開窓・リリーフ構造の目的とは異なります。
覚えるポイント
- フラビーガムは加圧すると変形し、義歯不安定の原因になる。
- 開窓印象法では周囲とフラビー部を分けて採得する。
- 選択圧印象では支持に適した部位と加圧を避ける部位を区別する。