116B028|第116回 歯科医師国家試験 過去問
84 歳の女性。上顎義歯の人工歯脱落による審美不良を主訴として来院した。義 歯は約8 年前に装着しており、咀嚼時に上顎右側側切歯と犬歯の人工歯が脱落した が、それ以外に問題はないという。診察の結果、義歯修理を行うこととした。修理 前の義歯の写真(別冊No. 9)を別に示す。 義歯修理で行う処置はどれか。3 つ選べ。

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正解: b・c・d
正答
b、c、d
この問題のポイント
部分床義歯の人工歯脱落では、既存義歯の適合・金属フレーム・人工歯をできるだけ活用して修理します。
解説
金属床部分床義歯のフレームと義歯床に大きな問題がなく、脱落した人工歯が保存されているため、人工歯を再使用できます。義歯を口腔内の適正位置に保持した状態でピックアップ印象を採得すれば、支台歯・顎堤と義歯の位置関係を作業模型へ移せます。修理後は偏心運動時の早期接触を除き、再脱落の原因となる過大な側方力を軽減します。
画像の確認
実画像では、金属フレームをもつ上顎部分床義歯の前歯部から人工歯2歯が脱落し、その2歯が義歯の手前に残されている一方、義歯床や金属構造に明らかな破折はみえない。脱落人工歯を再使用し、義歯を所定位置でピックアップ印象して修理後の偏心位接触を調整するという3処置に結び付く。
選択肢の確認
a.補強線の埋入
誤り。
金属フレームや義歯床の破折が示されておらず、人工歯脱落だけに補強線を追加する必要はありません。
b.偏心位での咬合調整
正しい。
修理した人工歯に偏心位で過大な接触があると再脱落しやすいため、偏心位で咬合調整を行います。
c.脱落した人工歯の再使用
正しい。
脱落した人工歯が破損しておらず形態・色調が適切なら、再使用して元の審美性を再現できます。
d.ピックアップ印象の採得
正しい。
ピックアップ印象により、義歯を口腔内の位置関係ごと印象内に取り込み、修理用模型を製作できます。
e.デンチャースペースの記録
誤り。
デンチャースペースの記録は義歯全体の人工歯排列や床形態を新たに決める際に用い、局所的な人工歯脱落修理には不要です。
覚えるポイント
- 人工歯脱落では原因となる咬合干渉を確認する。
- 使用可能な脱落人工歯は再利用できる。
- ピックアップ印象は義歯と口腔組織の位置関係を一体で採得する。