115D080第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

80 歳の女性。口腔内の痛みを主訴として来院した。上下顎全部床義歯は 3年前 に装着し問題なく使用していたが、最近、上顎顎堤粘膜が痛くなってきたという。 全身状態としては栄養失調を認め、やせ型である。義歯の適合に問題は認められな かった。初診時の口腔内写真 (別冊No. 29A と粘膜発赤部の塗抹標本の染色像 (別 冊No. 29B を別に示す。 適切な対応はどれか。 3つ選べ。

115D080の問題画像
3つ選択
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正解: a・b・c

正答

a、b、c

この問題のポイント

画像の義歯床下粘膜の発赤と、塗抹標本の菌糸・酵母様構造から口腔カンジダ症を判断し、原因・誘因への対応と抗真菌治療を選びます。

解説

80歳の全部床義歯装着者で、画像Aでは上顎義歯床に一致する口蓋粘膜のびまん性発赤がみられます。画像Bでは多数の菌糸状構造と酵母様細胞が確認でき、義歯性口内炎を伴う口腔カンジダ症が示唆されます。栄養失調はカンジダ増殖の誘因となるため栄養指導が必要です。口腔・義歯の清掃で菌量を減らし、抗真菌薬軟膏を病変部や義歯粘膜面へ用います。義歯適合に問題がないため機械的圧迫を前提とするリリーフは不要で、ステロイド単独は感染を増悪させ得ます。

画像の確認

実画像では、上顎全部床義歯の床外形に一致する口蓋粘膜のびまん性発赤があり、塗抹像には多数の菌糸状構造と酵母様細胞がみられる。真菌量を減らす口腔清掃、抗真菌薬軟膏、誘因となる低栄養への指導を選ぶ正答a、b、cを支える。

選択肢の確認

a.栄養指導
正しい。
栄養失調は宿主防御を低下させるため、誘因の是正が必要です。
b.口腔の清掃
正しい。
口腔内および義歯のプラーク・真菌量を減らし、再発予防にもつながります。
c.抗真菌薬軟膏の塗布
正しい。
画像と塗抹像が示す口腔カンジダ症に対する原因治療です。
d.義歯粘膜面のリリーフ
誤り。
設問では義歯の適合に問題がなく、疼痛の原因は圧迫ではなく真菌感染と考えられます。
e.副腎皮質ステロイド軟膏の塗布
誤り。
感染性病変へのステロイド単独使用は局所免疫を抑え、カンジダ症を悪化させる可能性があります。

覚えるポイント

義歯性カンジダ症は「義歯床下の発赤+菌糸・酵母」。治療は抗真菌薬だけでなく、口腔・義歯清掃と全身的誘因の是正を組み合わせます。

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