115D079第115回 歯科医師国家試験 過去問

基礎歯科医学病理・微生物・免疫

67 歳の女性。味覚異常を主訴として来院した。 6か月前から自覚していたが変 化がないという。 2年前に胃を切除している。初診時の口腔内写真 (別冊No. 28 )を 別に示す。血液検査の結果を表に示す。 白血球数 :7,500/μL 赤血球数 :360 万/μL ヘモグロビン :12.1 g/dL ヘマトクリット:40% 血小板数 :22 万/μL MCV :111 fL (基準値80〜100 fL )MCH :33 pg (基準値27〜31 pg )MCHC :30% 基準値30〜35% TP :7.0 g/dL Alb :4.0 g/dL AST :25 U/L ALT :18 U/L BUN :10 mg/dL Cr :1.0 mg/dL CRP :0.2 mg/dL HbA1c :5.5% 基準値4.6〜6.2%未満 )抗SS-A 抗体 :陰性 抗SS-B 抗体 :陰性 考えられるのはどれか。 1つ選べ。

115D079の問題画像
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正解: b

正答

b

この問題のポイント

胃切除歴、巨赤血球性変化を示すMCV高値、舌乳頭萎縮を組み合わせ、ビタミンB12欠乏によるHunter舌炎を診断します。

解説

67歳女性で胃切除後2年を経過し、味覚異常があります。画像では舌背の舌乳頭が萎縮して平滑化した発赤性の舌が確認できます。血液検査ではMCV 111 fL、MCH 33 pgと大球性変化を示しています。胃切除後は壁細胞由来の内因子が不足し、回腸でのビタミンB12吸収が障害されます。その結果、巨赤芽球性貧血と舌乳頭萎縮を伴うHunter舌炎を生じます。ヘモグロビン低下が軽度でも、病歴、舌所見、MCV高値が診断の鍵です。

画像の確認

実画像では、舌背全体が平滑で発赤し、舌乳頭の萎縮が目立つほか、検査表ではMCV 111 fLと大球性変化が示されている。胃切除歴と合わせてビタミンB12欠乏に伴うHunter舌炎を選ぶ正答bを支える。

選択肢の確認

a.糖尿病
誤り。
HbA1cは5.5%で基準範囲内であり、画像・大球性変化を説明しません。
b.Hunter 舌炎
正しい。
胃切除後のビタミンB12欠乏、MCV高値、舌乳頭萎縮、味覚異常が合致します。
c.Sjögren 症候群
誤り。
抗SS-A抗体・抗SS-B抗体は陰性で、典型的な乾燥症状も示されていません。
d.Plummer-Vinson 症候群
誤り。
鉄欠乏性貧血に伴うため通常は小球性低色素性となり、本例のMCV高値と合いません。
e.特発性血小板減少性紫斑病〈ITP〉
誤り。
血小板数は22万/μLで正常であり、出血性病変も示されていません。

覚えるポイント

「胃切除→内因子低下→ビタミンB12吸収障害→大球性変化+Hunter舌炎」という因果関係を一続きで覚えます。

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