115D030|第115回 歯科医師国家試験 過去問
上肢に片麻痺のある要介護高齢者に対する部分床義歯の設計において考慮すべき なのはどれか。 2つ選べ。
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正解: c・e
正答
c、e
この問題のポイント
上肢片麻痺のある患者では、義歯の力学的原則に加えて、片手で安全に着脱できる形態を設計へ反映します。
解説
部分床義歯には支持、把持、維持が必要ですが、維持を強くしすぎたり、厳密で複雑な着脱操作を要求したりすると、残存する片手だけでは扱いにくくなります。落下、粘膜損傷、装着不良を防ぐため、患者が把持しやすい部位を設け、単純な操作で着脱できるようにします。
リムーバルノブは指を掛ける突起で、義歯をつかんで外す操作を助けます。オーバーデンチャーは残存歯・歯根を義歯床内に取り込むことで外形を単純化し、クラスプへ指を正確に掛ける複雑な操作を減らせる場合があります。採用時には支台歯の状態、清掃性、義歯の支持を十分に評価します。
医療安全上のポイント
実際の設計では、患者に試してもらい、健側上肢だけで装着・撤去・清掃ができるかを確認します。
選択肢の確認
a.維持の最大化
誤り。
過大な維持力は片手での撤去を困難にします。脱離を防ぎつつ、患者が無理なく外せる適切な維持力に調整します。
b.支持の最小化
誤り。
支持を減らすと義歯が沈下し、粘膜や支台歯へ有害な力が加わります。片麻痺があっても支持は確保します。
c.リムーバルノブの設置
正しい。
健側の手指を掛けやすくなり、片手で義歯を把持して撤去する操作を助けます。
d.一定方向の着脱方向の設定
誤り。
部分床義歯には基本となる着脱方向が必要ですが、厳密な一方向だけに合わせる複雑な操作は片手では難しくなります。設問では、操作を直接補助する工夫として選びません。
e.オーバーデンチャーの採用
正しい。
適応を満たす残存歯・歯根を床内に取り込むことで、クラスプを個別に操作する必要を減らし、義歯外形と着脱操作を単純化できる場合があります。
覚えるポイント
- 片麻痺患者では、力学的安定と着脱しやすさを両立させます。
- リムーバルノブは片手での撤去を助けます。
- 強すぎる維持力や複雑な着脱操作は避けます。