115D026|第115回 歯科医師国家試験 過去問
59 歳の女性。右側での咀嚼困難を主訴として来院した。診察の結果、下顎右側 にインプラント義歯による補綴装置を製作することとした。 76相当部にインプ ラントを植立後、上部構造製作のための精密印象採得を行うこととした。印象採得 前の口腔内写真 (別冊No. 3 )を別に示す。 準備する器材はどれか。 2つ選べ。

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正解: c・d
正答
c、d
この問題のポイント
複数インプラントの上部構造を製作する精密印象では、インプラント体の三次元的位置を正確に作業模型へ移すためのオープントレーと印象用コーピングを準備します。
解説
59歳女性の下顎右側76相当部にはインプラントが植立されています。口腔内写真では、2本のインプラント部に円形の粘膜貫通部と中央の金属製スクリュー部が見えます。上部構造製作では、天然歯の歯冠形態ではなく、インプラントの接合部の位置と方向を印象へ移す必要があります。
オープントレー法では、インプラントに印象用コーピングを連結し、トレーの開口部から固定スクリューへ到達できるようにします。印象材硬化後に口腔内でスクリューを緩め、コーピングを印象内に取り込んだまま撤去します。複数本の位置関係を高精度に移すのに適した方法です。
画像の確認
実画像では、下顎臼歯欠損部に2本のインプラント接合部が円形に露出し、中央に固定用金属部が見える。複数インプラントの位置・角度を一体として移すオープントレーと印象用コーピングを選ぶ正答c、dがこの配置に合う。
選択肢の確認
a.個歯トレー
誤り。
個歯トレーは主に天然歯の支台歯印象で歯肉縁下のフィニッシュラインを記録するために用います。インプラント体の位置を移す本症例の中心器材ではありません。
b.歯肉圧排糸
誤り。
歯肉圧排糸は天然歯支台の歯肉溝を開いて辺縁を明示する目的で用います。インプラントレベル印象では印象用コーピングを接合部へ直接連結します。
c.オープントレー
正しい。
固定スクリューへアクセスできる開口を備え、印象用コーピングを印象内に取り込むピックアップ印象に用います。
d.印象用コーピング
正しい。
インプラント接合部へ装着し、インプラントの位置、角度、回転方向を印象と作業模型へ伝達します。
e.カバースクリュー
誤り。
カバースクリューは二回法手術などでインプラント内部を被覆して粘膜下で治癒させる部品です。上部構造の精密印象を採るための部品ではありません。
覚えるポイント
- オープントレー法では印象用コーピングが印象内に残ります。
- 複数インプラントでは位置関係の正確な再現が重要です。
- 歯肉圧排糸と個歯トレーは、主に天然歯支台の辺縁を記録する器材です。