115B089第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

61 歳の女性。右側での咀嚼困難を主訴として来院した。診察の結果、 6相当部 にインプラントによる補綴処置を行うこととした。上部構造試適時の口腔内写真 (別冊No. 40A と装着終了時の口腔内写真 (別冊No. 40B を別に示す。 この間の処置過程を実施の順番に並べよ。 解答:①→②→③→④→⑤

115B089の問題画像
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正解: d

正答

d

この問題のポイント

スクリュー固定式インプラント上部構造では、試適時に隣接接触関係を先に調整し、次に咬合を調整します。適合確認後にスクリューを締結し、アクセスホールを軟らかい材料とコンポジットレジンで封鎖します。

解説

上部構造の装着では、完全着座を妨げる因子から順に確認します。

  1. 隣接接触関係の調整
    隣接接触が強すぎると上部構造が完全に着座しません。まず接触点を適正化します。

  2. 咬合接触調整
    完全に着座した位置で、中心咬合位と偏心運動時の接触を調整します。

  3. アバットメントスクリューの締結
    適合と咬合を確認後、規定トルクでスクリューを締結します。

  4. 軟らかい封鎖材の挿入
    スクリューヘッドを保護し、将来の撤去を可能にするため、アクセスホール深部へPTFEテープなどの軟らかい材料を入れます。

  5. コンポジットレジンの充塡
    アクセスホール表層を接着・充填し、咬合面形態を回復します。

治療選択のポイント
隣接接触が強いまま咬合調整をすると、浮いた位置を基準に削ることになります。必ず完全着座を得てから咬合を調整します。

画像の確認

実画像では、試適時のインプラント上部構造咬合面にスクリューアクセスホールが開いており、装着後には同部が歯冠色材料で封鎖され、赤い咬合紙痕も確認できる。完全着座のための隣接接触調整、咬合調整、スクリュー締結、深部への軟らかい封鎖材、表層のコンポジットレジン充填という順序が、開放状態から封鎖・咬合確認後へ至る画像変化と一致する。

選択肢の確認

a.a → e → c → d → b(咬合接触調整 → アバットメントスクリューの締結 → 軟らかい封鎖材の挿入 → コンポジットレジンの充塡 → 隣接接触関係の調整)
誤り。
隣接接触関係の調整が最後になっています。強い隣接接触があると完全着座できないため、最初に調整する必要があります。

b.d → b → a → e → c(コンポジットレジンの充塡 → 隣接接触関係の調整 → 咬合接触調整 → アバットメントスクリューの締結 → 軟らかい封鎖材の挿入)
誤り。
スクリュー締結前にアクセスホールをコンポジットレジンで充塡しており、処置順序が逆です。

c.a → b → e → c → d(咬合接触調整 → 隣接接触関係の調整 → アバットメントスクリューの締結 → 軟らかい封鎖材の挿入 → コンポジットレジンの充塡)
誤り。
咬合調整を隣接接触調整より先に行っています。完全着座を確認してから咬合を調整します。

d.b → a → e → c → d(隣接接触関係の調整 → 咬合接触調整 → アバットメントスクリューの締結 → 軟らかい封鎖材の挿入 → コンポジットレジンの充塡)
正しい。
完全着座を得るための隣接接触調整、咬合調整、スクリュー締結、深部封鎖、表層充塡の順であり、適切です。

e.d → c → e → a → b(コンポジットレジンの充塡 → 軟らかい封鎖材の挿入 → アバットメントスクリューの締結 → 咬合接触調整 → 隣接接触関係の調整)
誤り。
アクセスホール封鎖をスクリュー締結より先に行い、隣接接触調整も最後です。安全に装着できない順序です。

覚えるポイント

  • 順序は隣接接触 → 咬合 → スクリュー締結 → 軟らかい封鎖材 → コンポジットレジンです。
  • 完全着座前に咬合調整を行ってはいけません。
  • 軟らかい封鎖材は、将来スクリューへ再アクセスするために用います。

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