115B087|第115回 歯科医師国家試験 過去問
行動調整法を用いた歯科治療中の写真 (別冊No. 39 )を別に示す。 本装置の適用で適切なのはどれか。すべて選べ。

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正解: a・b・c・d・e
正答
a、b、c、d、e
この問題のポイント
写真の装置は、患者の体動を一時的に制限して安全を確保するための行動調整・身体抑制装置です。使用は最小限・一時的・同意のもとに行い、代替手段がない場合に限ります。
解説
身体抑制は、患者の自由を制限する侵襲的な対応です。術者の都合や治療を強行するために用いてはいけません。患者が急激に動いて自傷・他害・誤嚥・器具による外傷を起こす危険があり、他の行動調整法では安全を確保できない場合に検討します。
適用前には、Tell-Show-Do法、視覚支援、短時間診療、環境調整、鎮静・全身麻酔を含む代替手段を検討します。本人に意思決定能力があれば本人へ、困難な場合は代諾者へ目的、方法、危険性、代替法を説明し、同意を得ます。
使用中は呼吸、循環、皮膚色、苦痛、固定部位の圧迫を観察します。必要な処置が終了したら速やかに解除し、毎回の治療で適応を見直します。身体抑制を利用して痛みを伴う処置を無理に続けてはいけません。
医療倫理上のポイント
「安全のために必要最小限」という原則を守り、使用理由、説明・同意、観察内容、使用時間を診療録へ記載します。
画像の確認
実画像では、歯科用チェア上の患者の胸腹部から四肢を覆う網状の身体抑制装置が用いられ、術者が口腔処置をしている。身体の自由を大きく制限する形態が明瞭なため、一時的使用、毎回の適応評価、本人または代諾者の同意、疼痛処置の非強行、代替手段がない場合への限定という全選択肢が必要条件となる。
選択肢の確認
a.一時的な使用にとどめる。
正しい。
必要な処置の間だけ使用し、目的を達したら速やかに解除します。漫然と継続してはいけません。
b.治療ごとに適用の可否を評価する。
正しい。
患者の発達、理解、体動、処置内容は変化するため、毎回あらためて必要性を判断します。
c.本人または代諾者の同意を取得する。
正しい。
目的、方法、危険性、代替手段を説明し、本人または適切な代諾者から同意を得ます。
d.痛みを伴う処置を強行してはならない。
正しい。
身体抑制は疼痛を無視して治療を強行する手段ではありません。適切な局所麻酔と疼痛管理が必要です。
e.代替手段がない場合の使用に限定する。
正しい。
視覚支援、行動調整、環境調整、鎮静など、より制限の少ない方法で安全を確保できない場合に限ります。
覚えるポイント
- 身体抑制は最終手段であり、必要最小限・短時間に限ります。
- 毎回の適応評価と説明・同意が必要です。
- 疼痛を伴う処置を強行するために使用してはいけません。