115B021|第115回 歯科医師国家試験 過去問
55 歳の男性。右側での咀嚼困難を主訴として来院した。診察の結果、下顎右側 第一大臼歯の欠損に対してブリッジによる補綴処置を行うこととした。補綴装置装 着前の口腔内写真 (別冊No. 2A と補綴装置の写真 (別冊No. 2B を別に示す。 接着性レジンセメントで装着する際、補綴装置内面に用いるのはどれか。 2つ選 べ。

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正解: b・d
正答
b、d
この問題のポイント
接着性レジンセメントで補綴装置を装着するときは、補綴材料の種類に合った内面処理を選びます。アルミナ粒子によるサンドブラストとMDP含有プライマーは、金属酸化物をもつ材料への接着に有効です。
解説
補綴装置を接着性レジンセメントで装着する際は、機械的な保持と化学的な接着の両方を高めます。
アルミナ粒子を用いたサンドブラストでは、補綴装置内面の汚染物を除去するとともに、表面を微細に粗造化します。これにより接着面積が増え、レジンセメントの微小機械的嵌合が得られやすくなります。
MDP含有プライマーのMDPは、リン酸基をもつ機能性モノマーです。リン酸基がジルコニアや金属の表面に存在する酸化物と化学的に結合し、反対側の重合性基がレジンと結合します。そのため、酸化物セラミックスや金属の接着処理に用いられます。
ひっかけポイント
フッ化水素酸とシランカップリング剤は、主にシリカ系ガラスセラミックスに用いる組合せです。ジルコニア表面では、フッ化水素酸処理だけでは十分な粗造化が得られません。
画像の確認
実画像では、下顎右側第一大臼歯欠損に対する三ユニットの歯冠色ブリッジが示され、両支台装置の内面は白色で不透明な酸化物系材料の外観を呈している。この内面では、アルミナ粒子による粗造化と酸化物へ接着するMDP含有プライマーの組合せが適するため、b、dの正答を支える。
選択肢の確認
a.クエン酸
誤り。
クエン酸は歯面処理や洗浄などに関連することがありますが、補綴装置内面に対する代表的な機械的粗造化処理や、金属酸化物との化学接着処理ではありません。
b.アルミナ粒子
正しい。
アルミナ粒子によるサンドブラストは、補綴装置内面を清浄化・粗造化し、接着性レジンセメントの微小機械的保持を高めます。
c.フッ化水素酸
誤り。
フッ化水素酸はシリカを含むガラスセラミックスを選択的に溶解して粗造化する際に用います。ジルコニアや金属酸化物を主成分とする表面の基本処理には適しません。
d.MDP 含有プライマー
正しい。
MDPのリン酸基がジルコニアや金属表面の酸化物と化学的に結合し、レジンセメントとの接着を高めます。
e.シランカップリング剤
誤り。
シランカップリング剤は、主にシリカ系ガラスセラミックスとレジンを化学的に結合させます。酸化物セラミックスや金属表面に対する第一選択の機能性モノマーはMDPです。
覚えるポイント
- ジルコニアや金属の内面処理は、アルミナサンドブラスト+MDPが基本です。
- シリカ系ガラスセラミックスでは、フッ化水素酸+シランを用います。
- 接着操作では、補綴材料の種類を先に確認してから表面処理法を選びます。