115A062第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科医学総合総合問題

心原性脳塞栓症の原因となる不整脈はどれか。 1つ選べ。

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正解: c

正答

c

この問題のポイント

心原性脳塞栓症では、心腔内に形成された血栓が脳動脈へ飛ぶ機序を考えます。代表的な原因不整脈は心房細動です。

解説

心房細動では、心房が規則正しく収縮せず、細かく震えるような電気的活動になります。とくに左心耳内で血流がうっ滞しやすくなり、血栓が形成されます。この血栓が左心房から左心室、大動脈を通って脳動脈へ流入すると、心原性脳塞栓症を起こします。

心原性脳塞栓症は、比較的大きな血栓が突然脳動脈を閉塞するため、発症が急激で、広い範囲の脳梗塞となることがあります。心房細動患者では、年齢、心不全、高血圧、糖尿病、脳卒中既往などを考慮して抗凝固療法の適応が判断されます。

歯科診療上のポイント
心房細動患者は抗凝固薬を服用していることがあります。抜歯などの観血的処置では、薬剤名、服用状況、原疾患、処置の侵襲度を確認し、安易に休薬させず主治医と連携します。

選択肢の確認

a.心室細動
誤り。
心室細動は心室が無秩序に興奮して有効な心拍出がなくなる心停止波形です。直ちに除細動を要する病態であり、慢性的な心腔内血栓形成を介して心原性脳塞栓症を起こす代表的不整脈ではありません。

b.心室頻拍
誤り。
心室頻拍は心室由来の頻拍で、血圧低下や心室細動への移行が問題になります。心房内の血流うっ滞による血栓形成を主機序とする不整脈ではありません。

c.心房細動
正しい。
心房収縮が失われ、特に左心耳で血流がうっ滞するため血栓が形成されやすくなります。その血栓が脳動脈へ塞栓することで心原性脳塞栓症を起こします。

d.上室性期外収縮
誤り。
上室性期外収縮は予定より早く出現する上室由来の興奮です。単発でみられることも多く、通常は心原性脳塞栓症の代表的原因ではありません。

e.Ⅱ度房室ブロック (Wenckebach 型)
誤り。
Wenckebach型はPR間隔が次第に延長した後にQRS波が脱落する房室伝導障害です。徐脈の原因にはなりますが、心房内血栓を形成して脳塞栓を起こす代表的不整脈ではありません。

覚えるポイント

  • 心房細動 → 左心耳内の血流うっ滞 → 血栓形成 → 脳塞栓とつなげて覚えます。
  • 心室細動は脳塞栓よりも、直ちに対応すべき心停止です。
  • 心房細動患者では抗凝固薬の服用歴を歯科診療前に確認します。

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