115A052第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

上下顎全部床義歯製作のため、発音をさせながらシリコーンゴム印象材を用いて ある記録の採得を行った。採得中の写真 (別冊No. 18A と採得された記録の写真 (別冊No. 18B を別に示す。 この記録が参考になるのはどれか。 2つ選べ。

115A052の問題画像
2つ選択
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正解: b・d

正答

b、d

この問題のポイント

発音や嚥下などの機能運動を利用して記録するニュートラルゾーンが、人工歯排列と義歯研磨面・歯肉形態の形成に用いられることを理解します。

解説

ニュートラルゾーンとは、舌が外側へ押す力と、口唇・頰が内側へ押す力が均衡する領域です。顎堤吸収が高度な全部床義歯患者では、人工歯を顎堤頂だけで機械的に決めると、舌や頰の力で義歯が不安定になることがあります。

記録材を口腔内に置き、発音、嚥下、吸啜などの機能運動を行わせると、周囲筋の作用によって材料が形成されます。この記録から、筋圧と調和する人工歯の排列位置と、頰側・舌側の研磨面、すなわち歯肉部の形態を決めることができます。

画像の確認

実画像では、下顎記録床の周囲に白色の軟らかい材料を盛り、舌や頬の機能運動で唇舌側面を形成している。別画像には、その機能的空間を写したU字状のニュートラルゾーン記録が示される。これは人工歯の排列位置と研磨面・歯肉形態の決定に使うため、b、dが正答となる。

選択肢の確認

a.咬合高径
誤り。
咬合高径は安静空隙、顔貌、発音、嚥下などを総合して決定しますが、ニュートラルゾーン記録の主目的は咬合高径そのものの決定ではありません。

b.歯肉形成
正しい。
記録された舌圧・頰圧・口唇圧に調和するように義歯の研磨面や歯肉部の豊隆を形成する際に参考になります。

c.床縁形態
誤り。
床縁形態は主に個人トレーを用いた筋圧形成や辺縁形成で決定します。ニュートラルゾーン記録とは目的が異なります。

d.人工歯排列位置
正しい。
舌と口唇・頰の圧が均衡する領域へ人工歯を排列すると、機能時の義歯安定が得られやすくなります。

e.水平的顎間関係
誤り。
水平的顎間関係は下顎位の記録によって決定します。ニュートラルゾーン記録は、上下顎の前後的位置関係を決める操作ではありません。

覚えるポイント

  • ニュートラルゾーンは舌圧と口唇・頰圧が均衡する領域です。
  • 記録は人工歯排列位置と義歯研磨面・歯肉形態に利用します。
  • 床縁形態は辺縁形成、顎間関係は咬合採得で決定します。

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