115A040第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科放射線学

母乳栄養児の腸内細菌叢で割合が高いのはどれか。 1つ選べ。

解答・解説を見る

正解: e

正答

e

この問題のポイント

母乳に含まれる成分が乳児の腸内細菌叢を選択的に形成し、Bifidobacterium 属が優勢になりやすいことを理解します。

解説

母乳には、乳児自身の消化酵素ではほとんど分解されないヒトミルクオリゴ糖が豊富に含まれます。ヒトミルクオリゴ糖は、特定のBifidobacterium属が利用しやすい基質として働き、母乳栄養児の腸内でこれらの細菌が増殖しやすい環境をつくります。

Bifidobacterium属は糖を発酵して乳酸や酢酸などを産生し、腸管内を酸性に傾けます。これにより一部の病原微生物が増殖しにくくなり、腸管バリアや免疫系の成熟にも関与します。

実際の腸内細菌叢は、分娩様式、抗菌薬使用、在胎週数、地域、離乳食などにも影響されますが、国家試験では「母乳栄養児ではBifidobacterium属が多い」と整理します。

選択肢の確認

a.Bacteroides 属
誤り。
Bacteroides属は腸内の代表的な嫌気性菌ですが、母乳栄養児で古典的に高い割合を占める菌属として問われるのはBifidobacterium属です。

b.Clostridium 属
誤り。
Clostridium属には腸内常在菌も含まれますが、母乳栄養によって選択的に優勢となる代表的菌属ではありません。

c.Enterobacter 属
誤り。
Enterobacter属は出生直後にみられる通性嫌気性菌の一つですが、母乳栄養児の安定した腸内細菌叢で高い割合を占める代表ではありません。

d.Lactobacillus 属
誤り。
Lactobacillus属も乳酸を産生する有用菌として知られますが、母乳栄養児の腸内細菌叢で最も代表的に優勢となるのはBifidobacterium属です。

e.Bifidobacterium 属
正しい。
母乳中のヒトミルクオリゴ糖を利用できる菌種が多く、母乳栄養児の腸内で高い割合を占めやすくなります。

覚えるポイント

  • 母乳栄養児の腸内細菌叢ではBifidobacterium属が優勢になりやすいです。
  • 母乳中のヒトミルクオリゴ糖が選択的な増殖を支えます。
  • Bifidobacterium属は乳酸・酢酸を産生し、腸内環境と感染防御に関与します。

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