38Q66第38回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみこころとからだのしくみ

次の記述のうち、低栄養の高齢者にみられる症状や行動の特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.偏りのある食べ方をする。

この問題のポイント

低栄養を、体重だけでなく、食べ方、食事量、口腔機能、活動性などから早期に捉える問題です。

同じ食品ばかり食べる、主食だけで済ませる、肉・魚・卵・乳製品などを避けるといった偏りは、必要なエネルギー、たんぱく質、ビタミン、ミネラルの不足につながります。

解説

低栄養とは、身体が必要とするエネルギーやたんぱく質などを十分に摂取・利用できていない状態です。高齢者では、食欲低下、味覚や嗅覚の変化、口腔内の問題、咀嚼・嚥下機能の低下、病気、薬の影響、一人での食事、経済的な事情など、複数の要因が重なることがあります。

低栄養では、体重減少、筋肉量や筋力の低下、疲れやすさ、活動量の低下、皮膚の乾燥、傷の治りにくさ、感染症にかかりやすくなるなどの変化がみられます。ただし、浮腫があると体重減少が目立たないこともあるため、体重だけで判断してはいけません。

偏りのある食べ方は、低栄養の原因にも、低栄養が疑われる生活上の手がかりにもなります。食事量だけでなく、何をどの程度食べているか、食べにくい食品がないか、食事環境や本人の好みを確認します。

介護実践でのポイント
食べないことを本人の意欲だけの問題と決めつけず、口腔内の痛み、義歯、嚥下、便秘、抑うつ、薬、経済状況、食事の楽しさなどを確認します。体重や摂取量の変化を記録し、管理栄養士、看護職、医師、歯科専門職などと連携します。

選択肢の確認

1.唾液の分泌が増加する。
適切ではありません。
低栄養で唾液分泌が増加するという特徴はありません。高齢者では、脱水、薬の副作用、口腔機能の低下などによって口腔乾燥が生じることがあります。

2.腸蠕動{ちょうぜんどう}が亢進{こうしん}する。
適切ではありません。
低栄養の高齢者では、活動量や筋力の低下、食事量の減少などから便秘がみられることがあります。腸蠕動の亢進は、低栄養に特徴的な変化ではありません。

3.食べこぼしが減る。
適切ではありません。
口腔機能、上肢機能、姿勢保持、注意力などが低下すると、食べこぼしが増えることがあります。食べこぼしが減ることは、低栄養の特徴ではありません。

4.偏りのある食べ方をする。
正答。最も適切です。
限られた食品だけを食べると、エネルギーやたんぱく質、ビタミン、ミネラルが不足しやすくなります。食事内容の偏りは、低栄養を疑う重要な手がかりです。

5.体重が増える。
適切ではありません。
低栄養では一般に体重減少がみられます。ただし、浮腫などで体重が維持・増加して見える場合もあるため、体重だけでなく筋肉量、食事量、浮腫、全身状態を合わせて評価します。

覚えるポイント

低栄養では、体重減少、筋力低下、疲れやすさ、活動性低下、傷の治りにくさなどに注意します。

食事は量だけでなく、食品の種類やたんぱく質源を含むかという内容も確認します。

食べ方の変化を本人の好みだけで片づけず、口腔、嚥下、病気、薬、心理面、生活環境を多職種で評価します。

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