34Q99|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
老化に伴う視覚機能の変化に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.明暗に順応する時間が長くなる。
この問題のポイント
加齢により、瞳孔の働きや網膜の感度が低下するため、明るい場所から暗い場所へ、または暗い場所から明るい場所へ移ったときに、見える状態へ適応するまでの時間が長くなります。
解説
目は周囲の明るさに応じて瞳孔の大きさを変え、網膜の視細胞の感度を調整しています。明るい場所から暗い場所へ移ったときに暗さへ慣れることを暗順応、暗い場所から明るい場所へ移ったときに明るさへ慣れることを明順応といいます。
加齢すると瞳孔が小さくなる老人性縮瞳がみられ、暗い場所で瞳孔を十分に広げにくくなります。瞳孔反応や網膜の感度も低下するため、明暗の変化に順応するまでの時間が長くなります。その結果、明るい屋外から暗い玄関へ入った直後や、夜間に照明を消した直後は特に見えにくく、段差や障害物に気づきにくくなります。
また、水晶体は加齢によって弾力性と透明性が低下し、黄色みや濁りが増します。近くへピントを合わせる調節力が低下する老視が生じ、ピントを切り替える速さも遅くなります。
涙液は量や質が低下しやすく、目の乾燥やかすみにつながります。さらに、コントラスト感度や色の識別力も低下し、まぶしさを感じやすくなるため、視力表では見える場合でも生活場面で見えにくいことがあります。
ひっかけポイント
老視は近くへピントを合わせにくくなる変化ですが、「その分、遠くが必ず見えやすくなる」という意味ではありません。遠方視力も白内障や他の眼疾患の影響で低下することがあります。
介護実践でのポイント
廊下、玄関、トイレ、階段などの照明差を小さくし、夜間は足元灯を使用します。急に移動を促さず、明暗に目が慣れる時間を確保します。照明は十分な明るさとしながら、直接目へ入る光や床の反射によるまぶしさを避けます。
選択肢の確認
1.水晶体が茶色になる。
誤りです。
加齢した水晶体は一般に黄色みを帯び、透明性が低下して濁りやすくなります。「茶色になる」と一律に表現するのは適切ではありません。
2.遠くのものが見えやすくなる。
誤りです。
加齢により近くへの調節力は低下しますが、遠くが必ず見えやすくなるわけではありません。白内障などによって遠方の見え方も低下することがあります。
3.明暗に順応する時間が長くなる。
正しいです。
瞳孔反応や網膜感度の低下により、周囲の明るさが変わったとき、見える状態へ慣れるまでに時間がかかります。
4.ピントの調節が速くなる。
誤りです。
水晶体の弾力性や調節力が低下するため、近くと遠くの間でピントを合わせる能力と速さは低下します。
5.涙の量が増える。
誤りです。
加齢では涙の分泌量や涙液の安定性が低下しやすく、ドライアイ、異物感、かすみなどが起こりやすくなります。
覚えるポイント
- 加齢すると明順応・暗順応に時間がかかる。
- 老人性縮瞳により、暗い場所へ入る光の量が少なくなる。
- 水晶体の弾力性低下で調節力が低下し、老視が生じる。
- 涙の量や質は低下しやすく、ドライアイにつながる。
- 介護環境では照明差、段差、まぶしさ、色のコントラストに配慮する。