37Q48|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
Bさん(87歳、男性)は、一人暮らしである。玄関前で、脱水で倒れているところを発見され、救急搬送された。入院中、認知症(dementia)の疑いがある行動が見られた。Bさんは、「自宅で暮らしたい」と強く希望していた。退院後、Bさんは外出して自宅に戻れなくなることがあった。近所の人たちが、Bさんの生活を心配して、地域包括支援センターに相談した結果、認知症初期集中支援チームが編成された。 次の記述のうち、Bさんに対して認知症初期集中支援チームが行う支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.支援方針を検討する。
この問題のポイント
認知症初期集中支援チームの役割と、介護支援専門員、契約当事者、成年後見人などの役割を区別する問題です。
認知症初期集中支援チームは、認知症が疑われる人や認知症の人、その家族を訪問してアセスメントを行い、医療・介護につなぐための支援方針を多職種で検討します。
解説
認知症初期集中支援チームは、複数の専門職が本人と家族に早期に関わり、生活状況、認知機能、身体状態、受診状況、家族の負担、住環境などを確認します。その情報をもとにチーム員会議を行い、必要な医療、介護、生活支援、家族支援を整理して支援方針を検討します。
ここでいう「初期」は、認知症の症状が軽い段階だけを意味するのではなく、支援に関わり始める初期の段階を意味します。医療や介護サービスにつながっていない人、サービスが中断している人、対応が難しくなっている人なども対象になります。
Bさんは「自宅で暮らしたい」と希望しています。チームはこの意思を中心に、安全面の課題だけでなく、できていること、近所の支え、脱水の再発予防、外出時の見守り、受診やサービスの必要性などを総合的に検討します。本人の希望を無視して、直ちに施設入所などを決めるものではありません。
居宅サービス計画書を作成するのは介護支援専門員です。サービスの契約は本人や代理権のある人と事業者が行います。法定後見は家庭裁判所が選任した成年後見人等が担い、初期集中支援チームが後見人になるわけではありません。
ひっかけポイント
認知症初期集中支援チームは、サービスを直接契約したり、ケアプランを作成したりする組織ではありません。アセスメントと支援方針の検討、医療・介護への橋渡しが中心です。
介護実践でのポイント
「危険があるから自宅生活は無理」とすぐに結論づけず、本人の希望、残存能力、環境、地域の支えを確認します。必要な見守りや医療・介護を組み合わせ、できる限り本人が望む生活を続けられるように支援します。
選択肢の確認
1.金銭管理を行う。
誤り。
認知症初期集中支援チームが本人の日常的な金銭管理を直接担うわけではありません。必要に応じて、日常生活自立支援事業や成年後見制度などの活用を検討します。
2.支援方針を検討する。
正答。最も適切です。
訪問とアセスメントを行い、チーム員会議で医療、介護、生活支援、家族支援を含む支援方針を検討することは、認知症初期集中支援チームの役割です。
3.居宅サービス計画書を作成する。
誤り。
居宅サービス計画書を作成するのは、原則として介護支援専門員です。チームは必要なサービスにつながるよう支援し、関係者と連携します。
4.介護保険サービスを契約する。
誤り。
サービスの契約は、本人または適切な代理権をもつ人とサービス事業者との間で行います。認知症初期集中支援チームが本人に代わって契約するものではありません。
5.法定後見を行う。
誤り。
法定後見は、家庭裁判所が選任した成年後見人、保佐人、補助人が行います。チームは必要性を検討し、制度利用につなぐ支援をすることはありますが、法定後見そのものを行いません。
覚えるポイント
認知症初期集中支援チームは、訪問、アセスメント、支援方針の検討を行います。
医療・介護サービスへの早期の橋渡しと、家族支援を行います。
「初期」は、認知症の軽症期だけでなく、支援開始の初期を意味します。
ケアプラン作成は介護支援専門員、サービス契約は本人等、法定後見は家庭裁判所が選任した後見人等の役割です。
本人の意思を中心に、地域で生活を続ける方法を多職種で考えます。