34Q82|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
軽度の認知症(dementia)の人に、日付、季節、天気、場所などの情報をふだんの会話の中で伝えて認識してもらう認知症ケアとして、正しいものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.リアリティ・オリエンテーション(reality orientation)
この問題のポイント
日付、季節、天気、場所など、現在の見当識に関する情報を自然に伝えるケアの名称を問う問題です。過去を振り返る回想的な方法や、本人の感情を受け止める方法と区別します。
解説
リアリティ・オリエンテーションは、日付、曜日、季節、天気、時間、場所、周囲の人など、現在の状況を理解する手がかりを伝える方法です。カレンダーや時計、季節の飾り、掲示物を活用する方法に加えて、日常会話の中で「今日は暖かい五月ですね」「これから昼食の時間です」などと自然に情報を伝える方法があります。
目的は、間違いを責めたり、無理に正答させたりすることではありません。本人が状況をつかみやすくなり、不安や混乱が軽減されるように支援します。情報を繰り返し訂正されることで本人が傷ついたり、かえって不安が強くなったりする場合には、表情や反応を見ながら方法を調整します。
認知症ケアでは、技法の名称だけでなく、本人の尊厳と安心を守る使い方が重要です。リアリティ・オリエンテーションも、本人の理解力やその時の気持ちに合わせて、押しつけにならないように行います。
ひっかけポイント
リアリティ・オリエンテーションは「今、いつ、どこにいるか」を支える方法です。ライフレビューは人生を振り返る方法、バリデーションは本人の感情や体験している世界を受け止める方法です。
選択肢の確認
1.ライフレビュー(life review)
誤り。
ライフレビューは、これまでの人生を振り返り、経験の意味を整理する方法です。現在の日付や場所などを伝えて見当識を支える方法ではありません。
2.リアリティ・オリエンテーション(reality orientation)
正しい。
日付、季節、天気、時間、場所などの情報を、会話や環境の手がかりを通して伝える方法です。本人の状態に合わせ、自然で穏やかなかかわりとして行います。
3.バリデーション(validation)
誤り。
バリデーションは、本人の言葉や感情を否定せず、その人が体験している意味を理解しようとするコミュニケーション技法です。現在の情報を伝えることを中心とする方法ではありません。
4.アクティビティ・ケア(activity care)
誤り。
アクティビティ・ケアは、本人の興味や生活歴、能力に合った活動を通して、生活の充実や役割、交流を支える考え方です。日付や場所を伝える技法そのものではありません。
5.タッチング(touching)
誤り。
タッチングは、同意や関係性に配慮しながら、手を握る、肩に触れるなどの接触をコミュニケーションに活用する方法です。見当識の情報を伝える方法ではありません。
覚えるポイント
リアリティ・オリエンテーションは、現在の時間・場所・状況の理解を支えます。
カレンダーや時計だけでなく、日常会話の中でも行えます。
正答を強制せず、本人の安心と尊厳を守りながら伝えます。