34Q77|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
認知症ケアにおける「ひもときシート」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.言動の背景要因を分析して認知症(dementia)の人を理解するためのツールである。
この問題のポイント
「ひもときシート」は、介護者が問題だと感じている言動だけを抑えようとするのではなく、その言動が生じる背景や本人の気持ちを整理し、本人中心のケアへつなげるための思考整理ツールです。
基本的な流れは、「評価的理解」→「分析的理解」→「共感的理解」の3段階です。
解説
認知症の人の言動には、認知症そのものの影響だけでなく、痛みや便秘などの身体状態、薬の副作用、不安や寂しさ、生活歴、周囲の人との関係、環境の変化など、さまざまな要因が関係しています。表面的な行動だけで捉えると、本人が何を求め、何に困っているのかを見落とすことがあります。
ひもときシートは、介護者の思い込みや行き詰まりを整理し、事実と根拠に基づく本人本位のケアへ転換するために用います。単に行動を分類する表ではなく、適切なアセスメントの焦点と支援の糸口を見つけるためのツールです。
Step1の「評価的理解」では、まず介護者自身が何を困難と感じ、本人の言動をどのように評価しているのかを振り返ります。介護者側の感情や先入観に気づくことから始めます。
Step2の「分析的理解」では、本人の言葉や行動に「なぜ」「どうして」と問い、病気や薬、身体、心理、生活歴、人間関係、環境など8つの視点から背景にある事実を整理します。
Step3の「共感的理解」では、分析した情報をもとに本人の立場へ近づき、「本人にとってはそう感じるのももっともだ」と言動の意味や潜在的なニーズを理解し、本人の視点から支援方法を考えます。
ひっかけポイント
「最初は分析」「8つの要因は共感的理解」「潜在的ニーズは評価的理解」という段階の入れ替えに注意します。順序は、評価的理解→分析的理解→共感的理解です。
介護実践でのポイント
ひもときシートは一人で結論を出すためのものではありません。本人の言葉、生活歴、体調、記録などの事実を集め、チームで異なる視点を持ち寄ります。導いた仮説は実際のケアで確かめ、本人の反応を見ながら見直します。
選択肢の確認
1.「ひもときシート」では、最初に分析的理解を行う。
誤りです。
最初に行うのは評価的理解です。介護者自身が困っていることや本人への見方を振り返った後、分析的理解へ進みます。
2.認知症(dementia)の人の言動を介護者側の視点でとらえる。
誤りです。
出発点では介護者側の困りごとを振り返りますが、シートの目的は介護者中心になりがちな思考を本人中心の思考へ転換することです。
3.言動の背景要因を分析して認知症(dementia)の人を理解するためのツールである。
正しいです。
言動の背景にある事実や本人の思いを整理し、本人の立場から理解して適切なケアへつなげるためのツールです。
4.評価的理解では、潜在的なニーズを重視する。
誤りです。
評価的理解では、まず介護者自身の感情、評価、困りごとに向き合います。分析を踏まえて本人の潜在的なニーズを捉えるのは、主に共感的理解の段階です。
5.共感的理解では、8つの要因で言動を分析する。
誤りです。
8つの視点を用いて背景要因を整理するのは分析的理解です。共感的理解では、その分析をもとに本人の気持ちと言動の意味を理解します。
覚えるポイント
- ひもときシートは、認知症の人の言動の背景を理解するための思考整理ツールである。
- 順序は「評価的理解→分析的理解→共感的理解」である。
- 評価的理解では、介護者自身の困りごとや見方を振り返る。
- 分析的理解では、8つの視点から背景にある事実を整理する。
- 共感的理解では、本人の立場から言動の意味と潜在的なニーズを捉える。