34Q78|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の幻視の特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.薄暗い部屋を明るくすると幻視が消えることがある。
この問題のポイント
レビー小体型認知症の幻視は、人、子ども、動物、虫などが実際にそこにいるように見える、具体的で鮮明な内容が特徴です。薄暗さ、影、模様、家具の形などがきっかけになることがあり、照明を明るくすると消える場合があります。
解説
レビー小体型認知症では、認知機能の変動、繰り返す具体的な幻視、パーキンソン症状、レム睡眠行動障害などが特徴的にみられます。
幻視は「知らない人が部屋に立っている」「子どもが遊んでいる」「床に虫がいる」など、形や色、動きが具体的で、本人には現実のもののように感じられます。薄暗い場所でカーテンの影や衣服、壁や床の模様などを人や動物と見間違える錯視を伴うこともあります。そのため、部屋を適度に明るくする、影を減らす、見間違えやすい物を整理するなどの環境調整によって、幻視が軽減・消失することがあります。
幻視があっても、本人が「本当ではないかもしれない」と気づけることがあります。病状や場面によって認識の程度は変わるため、「何もいない」と一方的に否定したり、逆に幻視の内容へ同調しすぎたりせず、まず恐怖や不安を受け止めます。
睡眠中の夢や、夢に合わせて叫ぶ・手足を動かすレム睡眠行動障害は、覚醒時の幻視とは区別します。また、レビー小体型認知症では抗精神病薬への過敏性がみられ、筋強剛、意識状態の悪化、過度の鎮静などを起こすことがあるため、安易な使用は避け、医師が慎重に判断します。
ひっかけポイント
レビー小体型認知症では「幻視」と「レム睡眠行動障害」の両方がみられますが、同じものではありません。幻視は覚醒中の知覚体験で、睡眠中の夢や行動異常とは区別します。
介護実践でのポイント
幻視を訴えたら、まず「怖かったのですね」と気持ちを受け止め、安全を確認します。照明、影、鏡、衣類、カーテンや床の模様などの誘因を調べ、環境を整えます。急な出現や悪化がある場合は、せん妄、感染症、脱水、薬の影響なども考えて医療職へ報告します。
選択肢の確認
1.幻視の内容はあいまいではっきりしない。
誤りです。
レビー小体型認知症の幻視は、人や動物、虫など、具体的で鮮明な内容を繰り返すことが特徴です。
2.睡眠中でも幻視が生じる。
誤りです。
幻視は覚醒時に、実在しないものが見える体験です。睡眠中の夢やレム睡眠行動障害とは区別します。
3.本人は説明されても幻視という認識ができない。
誤りです。
認識の程度には個人差や変動があり、本人が幻視だと気づくこともあります。「必ず認識できない」とするのは適切ではありません。
4.薄暗い部屋を明るくすると幻視が消えることがある。
正しいです。
薄暗さや影が幻視・錯視のきっかけになることがあり、適切な明るさを確保すると軽減・消失する場合があります。
5.抗精神病薬による治療が行われることが多い。
誤りです。
レビー小体型認知症では抗精神病薬への過敏性があり、重い副作用が生じることがあります。まず環境調整などの非薬物的対応を行い、薬が必要な場合も医師が慎重に選択します。
覚えるポイント
- レビー小体型認知症の幻視は、具体的で鮮明なことが特徴である。
- 薄暗さや影、模様が誘因となり、照明で軽減することがある。
- 幻視と、睡眠中のレム睡眠行動障害は区別する。
- 幻視を頭から否定せず、本人の不安や恐怖を受け止める。
- 抗精神病薬への過敏性があるため、薬物療法は慎重に行われる。