36Q43|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、若年性認知症(dementia with early onset)の特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.高齢の認知症(dementia)に比べて、就労支援が必要になることが多い。
この問題のポイント
若年性認知症では、認知機能の症状だけでなく、就労、収入、家族内の役割など、現役世代特有の生活課題が生じやすいことを理解する問題です。
若年性認知症は、65歳未満で発症した認知症をいいます。発症時に働いている人が多いため、就労継続、休職、配置調整、退職後の生活、経済的支援などを早い段階から検討する必要があります。
解説
若年性認知症は一つの病名ではなく、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、前頭側頭型認知症など、さまざまな原因疾患による認知症が65歳未満で発症した場合の総称です。
働き盛りの年代で発症することが多く、本人が家計を支えている、子育て中である、親の介護を担っている、職場で責任ある役割をもっているなど、高齢期とは異なる生活背景があります。そのため、本人の能力や希望を確認しながら、職場との調整、障害者雇用制度、傷病手当金、障害年金、就労支援機関などの活用を検討します。
症状の進行速度は原因疾患や個人によって異なり、「高齢の認知症より緩やか」と一律にはいえません。また、国内調査では若年性認知症は男性が女性より多い傾向が示されており、年齢が上がるほど有病率は高くなります。
特定健康診査は、主として生活習慣病のリスクに着目した健診です。認知症の発見を主目的とする検査ではありません。仕事上のミス、段取りの変化、性格や行動の変化などをきっかけに受診することがありますが、うつ病や疲労などと考えられ、診断まで時間がかかる場合もあります。
ひっかけポイント
若年性認知症の「若年」は、子どもや青年だけを指す言葉ではありません。65歳未満で発症した認知症であり、50歳代や60歳代前半の人も含まれます。
介護実践でのポイント
病名だけで仕事を辞める方向に誘導せず、本人が続けたい仕事、できる業務、必要な配慮を確認します。本人・家族の同意を得て、医療、職場、若年性認知症支援コーディネーター、就労支援機関などと連携します。
選択肢の確認
1.高齢の認知症(dementia)に比べて、症状の進行速度は緩やかなことが多い。
誤り。
進行速度は原因疾患や個人差によって異なります。若年性認知症だから高齢者の認知症より緩やかに進むとは限りません。
2.男性よりも女性の発症者が多い。
誤り。
国内の若年性認知症に関する調査では、男性が女性より多い傾向が示されています。高齢者の認知症に女性が多い傾向があることとの混同に注意します。
3.50歳代よりも30歳代の有病率が高い。
誤り。
若年性認知症の有病率は、一般に年齢が上がるほど高くなります。30歳代より50歳代のほうが高い傾向です。
4.特定健康診査で発見されることが多い。
誤り。
特定健康診査は生活習慣病のリスクを調べることが中心で、認知症の発見を主目的としていません。仕事や家庭での変化をきっかけに相談・受診につながることがあります。
5.高齢の認知症(dementia)に比べて、就労支援が必要になることが多い。
正答。最も適切です。
発症時に就労している人が多く、仕事の継続、職務調整、休職、復職、退職後の所得保障など、就労に関する支援が重要になります。
覚えるポイント
若年性認知症は、65歳未満で発症した認知症です。
現役世代に発症しやすく、就労、家計、子育て、親の介護などへの影響が大きくなります。
発症者は男性がやや多く、年齢が高くなるほど有病率が高い傾向があります。
症状の進行速度は原因疾患と個人によって異なります。
本人の希望と強みを確認し、医療・福祉・雇用をつないだ支援を行います。