35Q47|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
認知症ライフサポートモデルに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3.認知症(dementia)の人本人の自己決定を支える。
この問題のポイント
認知症ライフサポートモデルは、認知症の症状だけを見るのではなく、本人の生命・生活・人生を切れ目なく支える考え方です。
重要な視点は、「自己決定を支える」「住み慣れた地域で継続性のある暮らしを支える」「本人の力を最大限に生かす」ことです。
解説
認知症ライフサポートモデルでは、医療と介護を別々に考えるのではなく、本人の生活を中心にして、多職種や地域の人々が共通の目標を持って協働します。認知症による機能低下や症状への対応だけでなく、本人がこれまでどのような人生を送り、何を大切にし、これからどのように暮らしたいかを支援の出発点にします。
「ライフ」には、生命だけでなく、日々の生活やその人の人生という意味があります。「サポート」は、専門職が本人に代わって生活を決めることではありません。生活の主体は本人であり、必要な情報提供、わかりやすい説明、意思を表すための工夫、環境調整を行って、本人の自己決定と自己実現を支えます。
認知症があっても、本人には希望、好み、できること、これまで培ってきた力があります。言葉で意思を表しにくい場合も、表情、身振り、行動、生活歴などから意思を読み取る努力をします。意思は状況によって変わることがあるため、一度決めた内容を固定せず、継続して確認します。
多職種はそれぞれ別々の目標を立てるのではなく、本人が望む生活という共通の目標に向けて、情報を共有し、役割を分担します。施設入所を前提とするものでも、終末期だけに限定されるものでもありません。
ひっかけポイント
認知症ライフサポートモデルの中心は「サービス」ではなく「本人の生活」です。安全だけを理由に本人の希望を一律に制限するのではなく、希望とリスクの両方を検討します。
介護実践でのポイント
本人にわかりやすい選択肢を示し、急がせずに待ちます。本人の言葉だけでなく、表情や反応、生活史を手がかりに意思を確認し、多職種で共有します。
選択肢の確認
1.各職種がそれぞれで目標を設定する。
適切ではありません。
各職種がばらばらに目標を設定するのではなく、本人が望む生活を共通の目標として共有し、役割を分担して協働します。
2.終末期に行う介入モデルである。
適切ではありません。
認知症ライフサポートモデルは、認知症に気づいた段階から終末期まで、生活と人生を継続して支える考え方です。終末期だけに限定されません。
3.認知症(dementia)の人本人の自己決定を支える。
正答。最も適切です。
生活の主体を本人と捉え、本人の希望や価値観を確認し、意思を表しやすい環境を整えて、自己決定と自己実現を支えます。
4.生活を介護サービスに任せるプランを策定する。
適切ではありません。
本人の生活をサービスへ任せるのではなく、本人の力、家族や地域とのつながり、必要なサービスを組み合わせて、その人らしい生活を支えます。
5.認知症(dementia)の人に施設入所を促す。
適切ではありません。
施設入所を一律に促すモデルではありません。本人の希望と状況を踏まえ、住み慣れた地域での生活を含めて、必要な支援を検討します。
覚えるポイント
認知症ライフサポートモデルは、本人の生命・生活・人生を統合的に支えます。
本人の自己決定、生活の継続、残された力の活用が中心です。
多職種は、本人の望む生活という共通目標を持って協働します。
認知症があることだけを理由に、本人の意思や地域生活の可能性を否定しません。