35Q22第35回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみこころとからだのしくみ

廃用症候群(disuse syndrome)で起こる可能性があるものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 1

正答

1.うつ状態

この問題のポイント

廃用症候群は、病気そのものではなく、長期間にわたって身体を動かさない状態が続くことによって生じる心身の機能低下です。

筋力低下や関節拘縮などの身体面だけでなく、意欲低下やうつ状態などの精神・心理面にも影響することを理解します。

解説

安静や臥床が長く続き、日常の活動量が低下すると、筋萎縮、筋力低下、関節拘縮、骨量低下、起立性低血圧、心肺機能の低下、便秘などが起こりやすくなります。これらをまとめて廃用症候群といいます。

活動や人との交流が減ることで、生活の楽しみや役割を感じにくくなり、意欲低下、不安、抑うつ気分などが生じることもあります。そのため、うつ状態は廃用症候群に伴って起こる可能性があります。

予防では、できるだけ早い時期から、本人の体調と希望に合わせて離床や日常生活動作を支援することが大切です。単に運動を強制するのではなく、食事、整容、移動、趣味、交流など、本人にとって意味のある活動を生活の中に取り入れます。

ひっかけポイント
廃用症候群は「筋力が落ちること」だけではありません。循環、呼吸、消化、骨・関節、皮膚、精神・心理など、全身に影響します。

介護実践でのポイント
「安静にしていれば安全」とは限りません。過度な安静そのものが機能低下を進めることがあります。医療職やリハビリテーション専門職と連携し、本人が安全に行える活動を少しずつ続けます。

選択肢の確認

1.うつ状態
正答。最も適切です。
活動量や交流の減少、役割の喪失、身体機能の低下などにより、意欲低下や抑うつ気分が生じ、うつ状態につながる可能性があります。

2.高血圧
適切ではありません。
廃用症候群では、循環調節機能の低下によって、起き上がったときに血圧が下がる起立性低血圧がみられることがあります。高血圧は廃用症候群の代表的な変化ではありません。

3.関節炎
適切ではありません。
動かさない状態が続くと関節が硬くなり、関節可動域が狭くなる関節拘縮が起こりやすくなります。炎症を主体とする関節炎とは異なります。

4.徘徊
適切ではありません。
目的や背景をもって歩き回る状態は、認知症の行動・心理症状などでみられることがあります。廃用症候群による代表的な変化ではありません。

5.下痢
適切ではありません。
活動量の低下や腹筋力の低下、水分・食事摂取量の低下などにより、むしろ便秘が起こりやすくなります。下痢は廃用症候群の代表的な症状ではありません。

覚えるポイント

廃用症候群は、過度な安静や活動量低下によって生じる全身の機能低下です。

身体面では、筋萎縮、関節拘縮、骨量低下、起立性低血圧、便秘などがみられます。

精神・心理面では、意欲低下やうつ状態が生じることがあります。

予防の基本は、本人の状態と希望に合わせた早期離床と、意味のある生活活動の継続です。

関連問題

35Q2135Q23
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)