116C68第116回 医師国家試験 過去問

内科系腎・泌尿器急性腎障害・電解質

病態に関連する可能性のある薬剤はどれか。2つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る

正解: a・e

正解

a NSAID
e アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬

病態の整理

この症例では、

  • 食事、水分摂取低下
  • 腎機能悪化
  • K 7.6 mEq/Lの高度高カリウム血症
    を認めています。

ここで重要なのは、脱水を背景に薬剤が急性腎障害と高K血症を悪化させたという視点です。

関連する薬剤

a NSAID

NSAIDはプロスタグランジン産生を抑制し、腎血流を低下させます。
とくに脱水時には腎前性腎障害を悪化させやすく、結果としてK排泄低下につながります。

e ACE阻害薬

ACE阻害薬はレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を抑制し、アルドステロン低下を介してK排泄を減らします。
そのため、高カリウム血症の代表的原因薬です。

各選択肢の検討

  • a NSAID
    正しいです。脱水下で腎血流を悪化させ、急性腎障害と高K血症に関与します。

  • b スタチン
    誤りです。横紋筋融解症を介して二次的に腎障害を起こすことはありますが、この症例の経過とは合いません。

  • c スルホニル尿素薬
    誤りです。低血糖の原因薬としては重要ですが、高K血症の主因ではありません。

  • d ベンゾジアゼピン系睡眠薬
    誤りです。鎮静や転倒リスクには関わりますが、この病態の中心ではありません。

  • e アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬
    正しいです。K排泄低下により高K血症のリスクを高めます。

ひっかけポイント

  • この問題は単に「高K血症を起こす薬」を問うだけではなく、脱水、NSAID、ACE阻害薬の組合せを見抜く問題です。
  • いわゆるtriple whammyの発想が背景にあり、脱水や腎血流低下が加わると急性腎障害が起こりやすくなります。

国試での判断軸

  • 高K血症を見たら、まず
    • ACE阻害薬、ARB
    • カリウム保持性利尿薬
    • NSAID
      を確認します。
  • さらに、食欲低下や脱水があれば腎機能悪化も加味します。

覚えるポイント

  • NSAIDは腎血流を下げる。
  • ACE阻害薬はK排泄を下げる。
  • この2つは、高齢者や脱水時に急性腎障害と高K血症を起こしやすい組合せです。

関連問題

116C67116C69
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)