116C67|第116回 医師国家試験 過去問
内科系腎・泌尿器急性腎障害・電解質
直ちに投与すべき薬剤はどれか。
解答・解説を見る
正解: e
正解
e グルコン酸カルシウム
この時点で最優先の治療
前問より、この患者は高度高カリウム血症です。
しかも徐脈、不整、低血圧があり、不整脈死の危険が高い状態です。
このようなとき、まず行うべきなのは心筋保護です。
その目的で直ちに投与するのがグルコン酸カルシウムです。
なぜカルシウム製剤か
カルシウム製剤は血清Kを下げる薬ではありません。
しかし、高K血症で不安定になった心筋細胞膜を安定化し、致死的不整脈を防ぐ効果があります。
つまり、
- まずカルシウム製剤で心筋保護
- その後にKを細胞内へ移動させる治療や排泄させる治療
という順番が重要です。
各選択肢の検討
a ドパミン
誤りです。低血圧への対応で使う場面はありますが、この症例の本質である高Kによる不整脈リスクに対する第一選択ではありません。b アトロピン
誤りです。徐脈治療で使うことはありますが、原因が高K血症ならまず心筋保護が優先です。c アドレナリン
誤りです。心停止やアナフィラキシーなどで使いますが、この場面の第一選択ではありません。d 硫酸マグネシウム
誤りです。torsades de pointesなどで重要ですが、高K血症の第一選択ではありません。e グルコン酸カルシウム
正しいです。高K血症による致死的不整脈を防ぐため、まず投与します。
ひっかけポイント
- 高K血症では「Kを下げる治療」に目が向きやすいですが、最初に必要なのは心筋保護です。
- 国試では、
高K血症+心電図異常や徐脈
なら、まずカルシウム製剤と考えます。
このあとに考える治療
- インスリン+ブドウ糖
- β2刺激薬
- 利尿薬
- カリウム吸着薬
- 透析
ただし、設問が問うているのは「直ちに」なので、正解はグルコン酸カルシウムです。
覚えるポイント
- 高K血症の初手は心筋保護。
- その代表がグルコン酸カルシウムです。