115E42第115回 医師国家試験 過去問

脳・精神・感覚器・皮膚脳神経内科神経筋・末梢神経

入院後呼吸状態が安定した。病棟内歩行を再開したところ、洗面所で洗顔時に転倒した。詳しく問診すると、以前から、夜間に暗い場所ではふらつくようなことがあったという。 予想される診察所見はどれか。

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正解: d

正解

d Romberg徴候陽性

解説

この患者では、胃全摘の既往から ビタミンB₁₂欠乏 を背景とする 亜急性連合性変性 を考えます。
後索障害が起こると、深部感覚が低下し、視覚に頼って立位や歩行を保つようになります。

なぜ暗い場所でふらつくのか

明るい場所では視覚で代償できますが、暗所ではその代償が効かなくなるため、ふらつきが強くなります。
このとき典型的にみられるのが Romberg徴候陽性 です。

Romberg徴候とは

足をそろえて立たせた状態で、目を閉じると動揺が増強する所見です。
深部感覚障害や後索障害で陽性になります。

各選択肢の検討

  • a 静止時振戦
    Parkinson病を示唆する所見であり、本例の暗所でのふらつきとは合いません。

  • b 眼球運動障害
    脳幹や小脳の病変ではみられますが、この症例の中心は後索障害です。

  • c Horner徴候陽性
    交感神経障害でみられる所見で、縮瞳、眼瞼下垂、発汗低下が主体です。

  • d Romberg徴候陽性
    正しいです。深部感覚低下による感覚性失調 を反映します。

  • e Chvostek徴候陽性
    低カルシウム血症でみられる所見であり、本例とは関係しません。

ひっかけポイント

ふらつきと転倒というだけで小脳失調を考えやすいですが、
暗い場所で悪化する という情報は、感覚性失調を強く示唆します。

覚えるポイント

  • 胃全摘後では ビタミンB₁₂欠乏 を考える。
  • 後索障害では 深部感覚低下 により暗所でふらつく。
  • 典型所見は Romberg徴候陽性 です。

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