119D057第119回 歯科医師国家試験 過去問

社会歯科公衆衛生・予防歯科

85 歳の女性。定期健診のために家族とともに来院した。7 年前に認知症の診断 を受けて、認知症高齢者の日常生活自立度はⅢである。3 年前に誤嚥性肺炎を発症 して以降たびたび発熱を繰り返しており、2 年前からミキサー食を全介助にて摂取 している。7 6 5 4 3 3 4 5 6 7 は欠損しているが、義歯の製作は希望していな い。来院時の口腔内写真(別冊No. 15)を別に示す。 まず実施するのはどれか。1 つ選べ。

119D057の問題画像
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正解: b

正答

b

この問題のポイント

認知症が進行し、全介助で摂食し、誤嚥性肺炎を反復している患者では、まず口腔衛生管理を実施して口腔内細菌量を減らし、肺炎リスクを低減します。

解説

誤嚥性肺炎は、嚥下障害だけでなく、誤嚥される口腔・咽頭分泌物中の細菌量にも影響されます。要介護高齢者ではセルフケアが困難で、口腔内にプラーク、舌苔、痰、食物残渣が蓄積しやすくなります。

本症例は認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ、ミキサー食全介助、誤嚥性肺炎の反復という高リスク状態です。まず安全な体位、吸引準備、覚醒状態を確認しながら口腔衛生管理を行います。

その後、必要に応じて栄養・咀嚼・嚥下機能を多職種で評価します。

画像の確認

実画像では残存歯の歯頸部に厚いプラークと食物残渣が付着し、破折歯・残根周囲にも汚染が目立つ。誤嚥性肺炎を繰り返す要介護患者では口腔内細菌負荷を先に減らす必要があるため、まず口腔衛生管理を実施する。

選択肢の確認

a.栄養評価
重要ですが、本症例でまず実施する対応ではありません。
栄養評価は重要ですが、反復する誤嚥性肺炎リスクに対して来院時にまず実施する口腔内対応は口腔衛生管理です。

b.口腔衛生管理
正答。まず実施します。
口腔内細菌量を減らし、誤嚥性肺炎の予防につなげるため、まず口腔衛生管理を行います。

c.咀嚼機能評価
重要ですが、本症例でまず実施する対応ではありません。
多数歯欠損があっても義歯を希望しておらず、急性の肺炎リスクへの初期対応として咀嚼機能評価が最優先ではありません。

d.認知機能評価
重要ですが、本症例でまず実施する対応ではありません。
認知症の診断と自立度は既に示されており、まず再評価するより口腔衛生上の問題へ対応します。

e.嚥下障害のスクリーニング
重要ですが、本症例でまず実施する対応ではありません。
嚥下障害のスクリーニングも必要ですが、まず口腔内の感染源・細菌負荷を減らす管理を開始します。

覚えるポイント

  • 誤嚥性肺炎予防では口腔内細菌量の低減が重要です。
  • 全介助患者では安全な体位と吸引準備を行います。
  • 機能評価は初期の衛生管理と並行して多職種で進めます。

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