119D056|第119回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科矯正学
マルチブラケット装置で前歯を牽引している口腔内写真(別冊No. 14)を別に示す。 矢印の間の上顎切歯にみられる移動様式と矯正力の作用様式の組合せで正しいの はどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
マルチブラケット装置で前歯群へ適切な力系を加えると、歯冠と歯根を同方向へ移動する歯体移動が生じます。固定式装置の弾性ワイヤーは一般に持続的に力を作用させます。
解説
歯の移動様式は、力の作用線と抵抗中心の位置、モーメントの有無で決まります。
単純な力が抵抗中心から外れて作用すると傾斜移動になります。力とカップルを調整して適切なモーメント・フォース比を得ると、歯冠と歯根が同方向へほぼ同量移動する歯体移動が可能です。
マルチブラケット装置は口腔内に固定され、ワイヤーの弾性回復によって比較的連続した持続的矯正力を発揮します。
画像の確認
実画像では上下顎に角形ワイヤーを装着し、上顎前歯部へコイル・牽引装置から連続した力を加えている。矢印間の切歯は歯冠と歯根を同方向へ移す歯体移動であり、固定式装置の弾性要素から持続的な矯正力を受ける。
選択肢の確認
a.挺 出 持続的
誤り。
画像で示される前歯群の移動は挺出ではなく、歯冠と歯根を移動させる歯体移動として扱います。
b.傾斜移動 間歇的
誤り。
固定式マルチブラケット装置の作用は、装着時だけ働く間歇的力ではありません。
c.傾斜移動 断続的
誤り。
断続的力は力が働く時期と休止期を繰り返す作用様式で、本問の固定式ワイヤーの説明とは合いません。
d.歯体移動 持続的
正しい。
前歯は歯体移動し、固定式装置のワイヤーから持続的な矯正力を受けます。
e.歯体移動 断続的
誤り。
移動様式は歯体移動ですが、作用様式は断続的ではなく持続的です。
覚えるポイント
- 歯体移動では歯冠と歯根が同方向へ移動します。
- モーメント・フォース比で移動様式が変わります。
- 固定式ワイヤーは持続的な力を発揮します。