119B076|第119回 歯科医師国家試験 過去問
88 歳の男性。食事に時間がかかることを主訴として来院した。上下顎全部床義 歯は8 年前に製作し、修理を繰り返しながら使用していたが、1 か月前から食事に 時間がかかるようになったという。口腔機能検査の結果を表に示す。初診時の義歯 の写真(別冊No. 28A、B)を別に示す。 検査項目 機能低下の該当基準 検査結果 舌苔の付着程度 50%以上 22% 口腔粘膜湿潤度 27 未満 32 咬合力検査 500 N 未満 340 N 「パ」6.0 回/秒 どれか1 つでも、 オーラルディアドコキネシス 「タ」6.1 回/秒 6 回/秒未満 「カ」6.0 回/秒 舌圧検査 30 kPa 未満 26 kPa 咀嚼能力検査 100 mg/dL 未満 89 mg/dL (グルコース溶出量検査) 嚥下スクリーニング検査 3 点以上 0 点 (EAT-10) 適切な対応はどれか。2 つ選べ。

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正解: a・b
正答
a、b
この問題のポイント
検査では咬合力、舌圧、咀嚼能力が低下しています。劣化した義歯による咬合・咀嚼機能を 義歯製作で改善し、低舌圧には 舌抵抗訓練を行います。
解説
咬合力340 Nは基準未満で、舌圧26 kPaも低下しています。グルコース溶出量89 mg/dLは咀嚼能力低下を示します。一方、舌苔、口腔湿潤度、オーラルディアドコキネシス、EAT-10は基準を満たしています。
8年間使用し修理を繰り返した全部床義歯では、人工歯咬耗、咬合関係、適合、床の形態を評価し、新義歯で咬合支持と咀嚼能率を回復します。舌抵抗訓練は舌圧向上を目的に行います。
画像の確認
実画像Aでは上下全部床義歯の人工歯咬合面が広く摩耗し、Bの粘膜面にも長期使用と修理を反映した不均一さがみられる。咬合力・咀嚼能力低下には新義歯製作で対応し、舌圧26 kPaという低値には舌抵抗訓練を行う。
選択肢の確認
a.義歯の製作
正答。適切です。
義歯を新製して適合、咬合高径、咬合接触、人工歯形態を改善し、低下した咬合力・咀嚼能力の回復を図ります。
b.舌抵抗訓練
正答。適切です。
舌抵抗訓練は低下した舌圧の改善を目的とする訓練です。
c.口唇閉鎖訓練
誤り。
口唇閉鎖訓練は口唇閉鎖不全や口唇圧低下に行います。提示検査で口唇機能低下は示されていません。
d.舌の清掃指導
誤り。
舌苔付着は22%で基準の50%未満であり、舌清掃不良への特別な対応は優先されません。
e.唾液腺マッサージの指導
誤り。
口腔粘膜湿潤度は32で基準を満たしているため、口腔乾燥への唾液腺マッサージを優先しません。
覚えるポイント
- 検査値は基準と一つずつ照合します。
- 低咬合力・低咀嚼能力には義歯機能を改善します。
- 低舌圧には舌抵抗訓練を行います。