119B075第119回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科矯正学

9 歳の男児。咀嚼時に上顎前歯口蓋側の歯肉が痛むことを主訴として来院した。 診断の結果、第一期治療として下顎乳臼歯は抜去せずに矯正歯科治療を行うことに した。初診時の顔貌写真(別冊No. 27A)、口腔内写真(別冊No. 27B)とエックス線 画像(別冊No. 27C)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 治療目標で正しいのはどれか。3 つ選べ。

119B075の問題画像
3つ選択
解答・解説を見る

正解: a・b・d

正答

a、b、d

この問題のポイント

前歯部の深い被蓋により口蓋側歯肉が傷害される混合歯列期症例では、第一期治療で 臼歯を挺出し、下顎前歯を圧下し、上下顎正中を一致させることを目標とします。

解説

過蓋咬合の改善では、前歯の圧下、臼歯の挺出、Spee彎曲の平坦化などにより垂直的被蓋を浅くします。成長期では乳臼歯を安易に抜去せず、萌出誘導と歯列の対称性を保ちながら咬合を改善します。

正中偏位がある場合は、機能性偏位、片側性の萌出・空隙不足、歯の早期喪失などの原因を確認し、上下顎歯列正中を一致させます。

画像の確認

実画像Bでは著しい過蓋咬合により下顎前歯が上顎口蓋側歯肉へ接触し、上下歯列正中にもずれがある。成長期の第一期治療では臼歯を挺出して咬合を挙上し、下顎前歯を圧下して外傷性接触を解消しながら正中線を一致させる。

選択肢の確認

a.臼歯の挺出
正しい。
臼歯を挺出すると咬合高径が増し、前歯部の過蓋咬合改善に寄与します。

b.下顎前歯の圧下
正しい。
下顎前歯を圧下して前歯部の垂直的被蓋を減らします。

c.上顎犬歯の牽引
誤り。
上顎犬歯の牽引は埋伏犬歯などで必要ですが、この症例の第一期治療目標ではありません。

d.上下顎歯列正中線の一致
正しい。
上下顎歯列正中線の不一致を改善し、左右対称な咬合関係を目指します。

e.AngleⅠ級の大臼歯関係の確立
誤り。
第一期治療の主目的は過蓋咬合と正中の改善であり、AngleⅠ級大臼歯関係の確立はこの段階の正答目標に含まれません。

覚えるポイント

  • 過蓋咬合は前歯圧下と臼歯挺出で改善します。
  • 混合歯列期では乳歯の保存と萌出誘導を考えます。
  • 正中偏位の原因を評価し、左右対称性を回復します。

関連問題

119B074119B076
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)