119B071|第119回 歯科医師国家試験 過去問
歯科医学総合総合問題
下顎枝矢状分割術で用いる器具の写真(別冊No. 26A)と矢印で示す使用中の術中 写真(別冊No. 26B)を別に示す。 この器具で回避できるのはどれか。2 つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る
正解: b・e
正答
b、e
この問題のポイント
下顎枝矢状分割術では、舌側軟組織と下歯槽神経を保護する器具を適切に使用し、舌の知覚異常と オトガイ部の知覚異常を回避します。
解説
下顎枝内面の近くには舌神経が走行し、下顎管内には下歯槽神経が走行します。骨切り・分割時にこれらを損傷すると、舌前方部や下唇・オトガイ部の知覚障害が生じます。リトラクターやプロテクターを骨面へ確実に適合させ、軟組織と神経を切削器具から隔離します。
神経障害の予防には、術前CTによる下顎管の位置確認、盲目的操作の回避、過度な牽引を避けることも重要です。
画像の確認
実画像Aは両端が湾曲した細長い下顎枝用プロテクターで、Bでは下顎枝内面へ挿入して軟組織・神経血管束を骨切り器具から隔離している。これにより舌神経および下歯槽神経の損傷を避け、舌とオトガイ部の知覚異常を予防する。
選択肢の確認
a.下顎頭の脱臼
誤り。
下顎頭脱臼は近位骨片の操作や顎関節への力に関係し、提示器具が主に保護する神経障害ではありません。
b.舌の知覚異常
正しい。
舌神経の損傷は舌前方部の知覚異常を生じるため、舌側軟組織を保護して回避します。
c.下唇の運動障害
誤り。
下唇の運動は顔面神経支配です。下顎枝内面の感覚神経を保護する器具で主に防ぐ障害ではありません。
d.頰粘膜の知覚異常
誤り。
頰粘膜の知覚は主に頰神経などが担い、提示された術野で主に保護する神経の障害ではありません。
e.オトガイ部の知覚異常
正しい。
下歯槽神経が損傷するとオトガイ神経領域である下唇・オトガイ部の知覚異常を生じるため、器具で保護します。
覚えるポイント
- SSROでは舌神経と下歯槽神経を保護します。
- 舌神経障害は舌の知覚異常を生じます。
- 下歯槽神経障害は下唇・オトガイ部の知覚異常を生じます。